AVIA Power Rod
( A.P.R.)
これほど一般化した 「エクステンション ロッド」 ですが、なぜアーチャーはこの小さな部品にもっと神経を使わないのでしょうか? いくら「高剛性」をうたい文句にした高価なスタビライザーを使ったとしても、根元にあたる部分が柔らかくてはスタビライザーの持つ剛性は発揮されません。
「エクステンション ロッド」 に求めるべき性能も基本的にはセンタースタビライザーと同じであるにもかかわらず、ほとんどのアーチャーがこの部分に無神経でいます。そして、それをよいことにメーカーもこの部品に対しての性能を語ろうとはしません。理由は簡単です。現在一般に使われている直径20ミリ前後のロッドでは、もともと求める性能(剛性)に無理があるのです。
「アヴィア パワーロッド」は「 A.P.S.」と同じように複数のカーボンロッドを大口径状に束ねることで、今までのエクステンションロッドになかった高剛性を実現しました。一度使ってみればいかに根元の剛性が重要で、これまでの単数ロッドがどれほどたわんでいたかが実感できます。
それだけではありません。この部分が硬いと、結果としての弓の安定(固定)だけではなく、アーチャーの 「弓のコントロール性」 も飛躍的に向上します。押し手の動きとサイトピンの動きのズレがなくなり、アーチャーの意志がそのまま弓に伝達されるようになります。
弓を機械が射つのであれば「固定」だけが必要です。しかし、人間が射つ以上は振動が発生します。風が吹けばサイトピンも動き、緊張すれば震えも大きくなります。その結果、サイトピンがゴールドから外れればアーチャーは瞬時に弓を動かし、サイトピンをゴールドに戻そうとします。ここに 「固定」 とは反する 「コントロール性」 の概念が生まれます。
サイトピンがゴールドにある時はまったく問題はないのですが、それでいながら弓はもしもの時に備えて動ける準備も必要なのです。このことは近年、エクステンションロッドに水平の V バーをセットした弓が増えたことでも納得がいきます。このスタビライザーの形体は不良振動(特にトルクと呼ばれる大きい動き)を解消し、安定感も求めながら弓全体の重量は軽くコントロール性も確保し易い形なのです。
金属部品重量
通常ステン
≒106グラム
スペシャルステン
≒128グラム
先端・根元ともミリとインチがあります。
「パワーロッド」には実はもうひとつの性能があります。それは Vバーのウエイトの先端を指で弾いてみると分かります。「パワーロッド」 には他の単数ロッドにはない 「ローリング方向」 の動きがあります。これは「高剛性」に加えての大きな特徴です。
弓が発射時に起こす不良振動には、ローリングとは別に「トルク」と「ヨーイング」と呼ばれる2方向の動きがあるのですが、ローリングはもっとも的中には影響を及ぼさない動きです。「パワーロッド」はこの動きを持つことで、「微振動の吸収」と「発射時のバタツキ解消」に大きな役目をはたすのです。
なお、「パワーロッド スペシャル」は高剛性を最優先に考えているため 「パワーロッド」ほどに「ローリング方向」の動きは得られません。
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