競技用アロー PRO Select と 初心者用アロー AVIA (アヴィア) 

 「PRO Select」はアメリカ ノースカロライナ州 ヒッコリーに本社をもつ『AVIA Sport Inc』が作る競技者用オールカーボン製アローシャフトの商品名です。アメリカ国内においては「Crown Hunter」「Diana」といったハンティング用シャフトや、皆さんよくご存じの世界最大の通信販売で有名なCabela’sやBass Pro Shopといった会社にそれぞれのブランド名でシャフトを供給しています。そして、日本には「PRO Select」のほかに「AVIA」という商品名の初心者用オールカーボンシャフトもお届けしています。(1998年末からアメリカで発売された「Carbon Tech」も「PRO Select」と同じ製品です。)
 しかし、日本における「PRO Select」「AVIA」の知名度は、アメリカにおけるそれとは逆にまだまだです。その理由は、アメリカにおけるアーチェリー人口は200万人とも300万人ともいわれる巨大なマーケットをもっています。ちょうど日本における魚釣りの世界のようなものと考えるとわかりやすいでしょう。毎週 海や河へ出かける、あるいは本格的にそれに取り組むというより、潜在的な愛好家が圧倒的に多いのです。そしてこれらの愛好家たちの99%以上が「ハンティング(狩猟)」をアーチェリーの目的としています。そして、そのほぼ100%の人たちが「コンパウンド ボウ」を使っています。もっとわかり易い例をあげるなら、日本のアーチェリー人口=全日本アーチェリー連盟への登録数=約1万2000名 ですが、それに対応するアメリカのアーチェリー人口=NAAの登録数=約6000名 です。NAAとはオリンピックを目指す競技者の組織ともいえるでしょう。ということは、アメリカではオリンピックや世界選手権を目標とはせずアーチェリーを愛好する人たちがほとんどであり、リック・マッキニー、ダレル・ペイスやジェイ・バーズといった選手は日本のアーチェリーの世界より遥かに小さなところから生まれてきたのです。「PRO Select」「AVIA」はアメリカのコンパウンドの世界で育ってきたのです。
 そのため、Easton社のX-10やACEといった日本で有名な競技用アローは逆にアメリカではほとんど使われることなく、購入することすら難しいのです。このようにアーチェリーと一言で言っても、その中身がその国によって異なり、特に日本の状況が極端にリカーブのターゲットという競技志向に偏っているために、オールカーボンシャフトやその代表である「PRO Select」の知名度が低いのです。しかし、アメリカでは多くの愛用者を持ち、今リカーブの世界でも注目を集めるようになったのです。

 現在 使われているカーボンシャフトは、ほとんどがアメリカ製です。しかし、日本のアーチャーが考えているほどに世界の「ターゲットアーチェリー」のマーケットは大きくないのです。逆にターゲットアーチェリーだけを対象にした商品では採算が取れないのが現状です。「PRO Select」はアメリカ国内においてハンティングやコンパウンドの大きなシェアをもっているからこそ、これだけの低価格で高品質のターゲットアーチェリー用アローをお届けできるのです。

 そして もうひとつ「PRO Select」には秘密があります。「スポーツ カイト(凧)」と呼ばれるスポーツを知っていますか。日本ではまだなじみの薄いスポーツですが、すでにアメリカではハンティング同様に普及している競技です。『AVIA Sport INC』はこの世界にも凧の骨組み部分に高品質カーボンシャフトを提供しているのです。そのシェアは85%に達しています。この数量はマーケットが大きいだけにアーチェリーシャフトを遥かに上回るものです。このことが「PRO Select」の低価格・高品質に大きく寄与しています。アーチェリーに使用するシャフトは曲がりや重量誤差に高精度が要求されるため、生産された総数量の中で商品となる割合(これを歩留まりといいます)が非常に小さくなります。他社のシャフトではこの歩留まりが50%を切るものもあります。作ったシャフトの半分以上が商品とならず、これがコストに跳ね返るか品質の低下で価格を維持するしかありません。しかし、『AVIA Sport INC』はハンティングとスポーツカイトの大きなバックグラウンドに支えられていることで、これだけの高品質と低価格を日本のターゲットアーチャーの皆さんにお届けできるのです。

PRO Select 使用のアーチャーもお読みください。
 AVIA (アヴィア)カーボンシャフトは PRO Select がお届けする、初心者用オールカーボンアローです。
 なぜ、初心者にはアルミアローと決めてしまうのですか? 初心者はすぐ矢を壊してしまうし、何よりも値段が高いからでしょう。
 しかし、それはこれまでに使い物になるカーボンアローがなかったのと、アルミ矢同様の精度と価格の矢がなかったからにすぎません。この価格を見れば考えは変わるはずです。

この値段を見て、きっと品質が悪いと思う前に・・・・。

PRO Select AVIA の品質(精度)比較

  曲がり精度 重量精度
PRO Select 0.000”〜0.001” ± 1 グレイン
他ブランド(OEM) 0.000”〜0.0025” ± 2 グレイン
AVIA 0.0026”〜0.0045” ± 2.5グレイン
   
  こんなに安くで提供できるのは、いくつかの理由があります。
1) 私たちはアメリカ国内で多くのシャフトをハンティングを中心に供給しています。
2) 私たちはヨーロッパで多くのシャフトをコンパウンドを中心に供給しています。
3) AVIA より精度の劣るシャフトはカイト(凧)のシャフト(骨組み)として使います。
4) 私たちは、矢を消耗品と考えています。
 
 例えば、今はなきAFC「Exacta」やBeman 「Diva」の曲がり精度は0.000”〜0.0025”の範囲で設定されていました。このことは、いかに「 PRO Select 」の精度が高いかが分かるでしょう。
 では、「 PRO Select 」の歩留まり(生産されたものの何%が商品となるかの割合)の話をしましょう。
 例えば、1000本のシャフトを生産するとします。すると
1) 100本が PRO Select となります。 (0.000”〜0.001”の精度で±1グレインの誤差範囲が10%
2) 次の0.000”〜0.0025”±2グレインのシャフトが約170本できます。 ( 17%のシャフトをハンティングに使う他ブランドでアメリカ、ヨーロッパに輸出します)
3) 次の250本(25%)がAVIAとして使われます。
4) 残りの約480本(48%)がカイトとして使われるか、捨てられる運命にあります。
 他のメーカーは48%を捨てるしか仕方がなく、さもなければこれを価格に転化しないためにトップブランドの品質を落とすしかないのです。
 
 では、最初の質問の答えに戻りましょう。
 これだけ安ければ AVIA カーボンアローを使わない理由はどこにもないはずです。どんな矢(アルミでも)も地面を射てば壊れるし、初心者に使わそうと考えているアルミシャフトはこれよりも高く、タタミを近くから射っているだけで曲がってくるのではないでしょうか。AVIA はその点、曲がりません。
 「 AVIA 」は「 PRO Select 」と同じ5つのサイズが揃っています。数カ月すればカーボンアローに替えのです。「 AVIA 」はその時の移行もスムーズ、簡単です。もし、まだ壊れることを気にしているなら、2 ダース買っても アルミ矢より安いのでは・・・・・・

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