的中孔チェック

 いつからこんなふざけた「的中孔チェック」が罷り通るようになってしまったのでしょう??

 ローカルの試合では少ないかもしれませんが、ちょっとした公認大会になればアーチャーは跳ね返り矢のリスクを避けるために、同的のアーチャーの了解を得たうえで的中孔にペンで印を付けることはスポーツマンとしての当然の行為です。ところが、近年「∨」印のチェックを、それも跳ね返り矢が発生した時にまったく「的中孔チェック」の意味をなさなうような印の付け方が平然と罷り通るようになってしまいました。
 昔、「的中孔チェック」が始められた1971年当時の世界大会では、矢取りのたびに的中孔すべてにいちいち透明のセロテープを貼るという完璧が期されていました。しかし、これでは的面が光の反射によってエイミングに支障をきたすということで、現在のようなペンでのチェックとなったわけです。しかし、その時でも印は必ず「+」印(穴の回りに90°の角度で4つの印を入れる)か、少なくとも「−」の印が入れられるのが普通(当然)であり、現在のオリンピックや世界大会でもこの方法は踏襲されています。にもかかわらず、日本のアーチェリー界はどうしたことでしょう?
 全日本アーチェリー連盟競技規則 第210条(得点記録)−12 「矢を得点記録し、標的から抜き取るときに、すべての矢の的中孔に適切な印がつけられなければならない。」 これを読んでも分かるように、実は的中孔チェックはアーチャーの権利ではなく、ルールに明記されているように義務なのです。よく試合で「的中孔にチェックを入れる場合は同的のアーチャーの了解を得たうえで・・・・行なっても結構です。」といったアナウンスがされますが、あれは間違いです。必ずアーチャーはチェックをしなければならないのです。
 では、なおさら跳ね返り矢があっても、その的中孔が特定できないようなやり方を容認することは大きな間違いです。全ア連はもっと適正な運営がなされるべき指導を徹底するべきです。学連の一部ではいまだに「∨」印を指導し、このような本質を理解しない指導が公式に通達されているのも現状です。だから、個々のアーチャーを責める訳にはいきません。
 しかしそれにしても、ふざけたチェックをするアーチャーの的で跳ね返ってしまった良識あるアーチャーはやりきれないと思いませんか。とりあえずは、個々のアーチャーの良識と自覚に期待します。

copyright (c) 2008 @‐rchery.com  All Rights Reserved.
I love Archery