國學院高等学校の矢

 某所でなんとなくカレンダーを見ていたら、こんなのが目に付きました。

黒漆(くろうるし)の葛胡簶(つづらやなぐい)
 胡簶は、矢を納めて携行する調度である。矢を寄せかける背板と、鏃(やじり)を指しこむ方立(ほうだて)からなる。周縁の枠組を竹で作り、防已(つづらふじ)編みあげて張りかける材質から葛胡簶という。この蔓草(つるくさ)である防已の皮付きのままを黒漆といい、皮を剥いて晒したのを白葛という。まさに白葛の上に漆をぬって仕立てたのを塗胡簶とよび、その色によって黒漆とか赤漆という。奈良時代以来、年料の器杖として諸国で作られ、軍防令には兵士1人ごとに征矢50隻・胡簶1具としている。東大寺献物帳には聖武天皇遺愛の弓矢100具の中、胡簶96具を算し、正倉院中倉には葛胡簶29具を伝えている。その中で矢48隻を盛った黒漆の葛胡簶には木簡が付属し、天平宝字8年(764)の恵美押勝の乱の際に出蔵して、乱後に返却したことを伝えている。掲出の黒漆の葛胡簶の前後は正倉院の御物の忠実な模造である。
 
 國學院高校2009年版カレンダーの1-2月のところに載っていました。國學院高等学校所蔵の逸品です。

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