ストリングの張り方

 昔むかし、成田空港反対闘争の時、ヘルメットのおにいさんがヤグラの上から初心者用のワンピースボウに矢をつがえて、下の機動隊めがけて射っていたのを覚えています。ただ、その時のニュースの画面の記憶では、ストリングを弓の逆側にに張っていたと思います。いくらアーチェリーでも逆側にストリングを張っては、人も殺せませんよね。あの時矢は落ちていっただけだったのかな・・・・。
 そこで弓にストリングを正しく張る方法です。初心者は射ち方同様、これもちゃんと指導者に付いて教えてもらわないと大怪我をすることがあります。基本的な注意だけを記します。慣れるまでは必ず指導者の指示に従いましょう。
 初心者の場合、最初は「ストリンガー」と呼ばれる、弓にストリングを張るための道具から入るのが一般的です。
 詳しい説明は省きますが、弓の上のリムにはストリングのループを通し、下のリムにはストリングをしっかりとチップの溝に掛けたうえで、このストリンガーという道具を取り付けます。上下のチップに写真のような皮製のキャップをかぶせて、そこに付いている紐を踏んで弓を持ち上げれば弓がたわんでストリングを張ることができるというわけです。
 あまり上まで引き上げずにすむように、最初に紐の長さを調整しておくのと、キャップをしっかり掛けること、そして真っ直ぐに引き上げるようにすれば初心者でも簡単にストリングを張ることができるはずです。
 しかし万が一トラブルが起こるとすれば、引き上げた時にストリンガーがチップから外れるか、ストリングが張れたと思って力を緩めた時にストリングが外れることでしょう。どちらも注意すれば避けられることですが、弓の力(張力)が強いだけに起こると大怪我のもとにもなりかねません。
 そこで弓を引き上げる時は、弓の中央であるグリップを必ず親指を掛けた状態で持ち上げましょう。それとこの時もしストリンガーが外れても、ハンドルやチップが顔を直撃しないように顔は必ずそれらの位置から逸らしておくようにしてください。
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 もうひとつ「プルプッシュ」(Pull-Push) と呼ばれる、一般的なストリングを張る方法があります。これは非力な女子や慣れないアーチャーにはちょっと難しいかもしれませんが、道具を必要としないためにいつどこででもストリングを掛けたり外したりできるので、いつかは覚えるといいでしょう。 しかしこの方法で注意しなければならないのは、もし失敗するとストリンガー以上に弓が顔を直撃する危険があることです。また、慣れないと弓を捻ってネジってしまうこともあります。(写真は右手で押していますが、実際にはやり易い方で行えばよいでしょう。)


 

 ストリンガーの時と同様に、下リムにはストリングをしっかり掛けて弓を踏みつけてキズつけたりしないように、靴の土踏まずの部分に当てます。また上リムはストリングループを掛けた状態で、指ではなく手のひら全体で腕から押し、ループをチップの溝まで滑らせて掛けるようにします。

 そこで最後にもっとも注意を要するのは、これもストリンガー同様に引く側の手の親指はしっかりと弓に掛けることと、力を緩める時は上下のストリングループが完全にチップに掛かっていることを確認することです。また、もしもの時のために上リムが返る位置には顔を置かないようにしましょう。押す手が滑った時だけではなく、下のストリングがチップから外れることがよくあります。
 軽症の方でしょうか。しかし目に当たっていたら・・・・ (-_-;)

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