最近、ふるえるほど緊張したことあります? |
例えば、何気なく車間距離をつめすぎた前の255/40かなんかのタイヤを履いた、窓の真っ黒のクラウンかベンツから信号待ちの時に、あたまに「ヤ」の付くお兄ちゃんが降りてきた時・・・なんかはほんと震えるほど緊張しちゃいますが、こんなシュチュエーションでも一般人には稀な出来事で、普通の生活をおくってる庶民にとって「ふるえる」って状況はまずないのが正直なところでしょう。 |
そう考えれば2000円か3000円の参加費を払って一日遊ばせてもらって、なおかつ心臓ドキドキで手は震え、冷や汗は出るは、という経験が1カ月か2カ月に一回あるというのはすごく幸せなことなんですよ。アーチェリーなんかやってなかったら一生ふるえることなしに死んでいくところだったかもしれないんですよ。そう思えば、「ふるえる」ことはまんざらでもなく、幸せなことなんですよ。 |
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ほとんどのアーチャーは「プレッシャー」と称して緊張することは害であり、排除しなければならないもの・・・という考えを持っています。しかし、本当にそうなんでしょうか? |
例えば試合の時のプレッシャーを考えた時、ほとんどがその「緊張」にばかり目が向き、緊張=興奮 の図式を思い浮かべます。しかし、実はプレッシャーとは精神における「興奮過程」と「抑制過程」との相互に乱れが発生する現象で、特に問題になるのはアンバランスによる大きな精神的動揺です。興奮>抑制 はドキドキしたり、じっとしていることができずイライラしたり・・・といった情緒的混乱状態です。ところが、まれではあっても、興奮<抑制 といった状態も起こることがあります。こんな時選手は意気消沈してしまい、注意力散漫となります。 |
そう考えれば、選手にとってもっとも良い状態とは「興奮=抑制」であり、この時 中枢神経は最適の興奮状態を示し、快い緊張と活気に満ち溢れます。緊張や興奮がないことが良いのではなく、適度の興奮や緊張こそが好結果を導いてきてくれるのです。 |
そしてもうひとつ重要なことは、このような精神のアンバランスからくる精神的動揺はアーチャーのキャリアなどとは無関係に発生し避けられない現象であるということです。 |
じゃあ、トップアーチャーと初心者あるいは中級者。あるいはうまい人とヘタクソの違いは、というと精神的動揺の大小ではなく「その動揺に翻弄されることなく、それを克服してシューティングする能力の大小の差」なんです。 |
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アーチェリーを楽しみなさい。震えたり、興奮したりできるアーチェリーを楽しむんです。興奮も緊張も、避けたり、無視したり、なくしたりしようとする前に、すべてを受け入れたうえでそれを楽しむのです。それができればもっとアーチェリーはおもしろくなるはずです。 |