先達の精神も添えて

雨露の離れ。【ウロノハナレ】。
射の教えの中でも”離れ”については最も記述のあるところ。その中でも最も的確に射の本意を伝えていると言われるのが、この美しい表現。蓮の葉にしずくが少しずつ溜まってゆく。そして、それが玉となってポ・・・トンと落ちて行く。この自然が見せるつかの間の現象(とき)の中に、達人たちは”離れ”に至る射の極意をみたのです。即ち、「ポ・・・」の部分は、本心を留めて発射せずに保つ”持満の業”の教えであり、「トン」の部分には自然に機が熟するのと同時に発する”自満の業”を見つけたのです。しかも、この二つの部分は、水が流れるように連続していなくてはなりません。さらに”自満の時”は、我知らずのうちに来るものであり、自満を意識してしまうと”離れ”は高慢で未熟な”離す”になってしまうと言います。アーチェリーの1400点時代も、まるで「雨露の離れ」のように自然にやって来るような気がしませんか。

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