先達の精神も添えて

天然の射。【テンネンノシャ】。
左手と右手のバランスさえあっていれば的の真ん中を射抜くことは難しくない。などと言いながら矢をつがえてみれば、何のことはなし、的に意識がいきすぎて形など崩れる一方。「矢は当てようとすると当たらない」といういささか禅問答的な教えが鋭く胸に突き刺さることになる次第。一体、練習によって積み重ねてきた技を正しく呼び出してくれる深い集中力はどこから生まれるのでしょうか。「迷心我意を去って天然の自性を悟り、たとえれば、水鏡中に月影の映ずるが如き無念無想の境界」。これまた禅問答のようですが、つまり、失敗の恐れや不安を意識下に捨て、力みのない静かな興奮で弓を引く天然の射。結局、リラックス。結局、自分の技量に自信を持つための練習の積み重ね。そして、その時、「晴れ(試合)を常(練習)、常を晴れと思え」の教えが大いに役立つことでしょう。

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