シューティングラインを引く

 実はシューティングラインやウエイティングラインの線の太さや材質についての競技規定はないのです。実際、昔の全米選手権では「線」ではなく、「点」であるマーカーが打ってあった時もあります。とはいえ、今回は試合場ではなく常設の練習場のお話です。
 多くの常設レンジは、シューティングラインやウエイティングライン部分をコンクリートやアスファルトで作っています。その上に「ライン」を引いて(書いて)いるのですが、それも時間の経過でご覧のように消えていきます。そこでこのラインを引き直そうと思うのですが、簡単にお金を掛けずにするのであれば、ペンキを買ってきて、スプレーでもローラーでも刷毛ででも、ガムテープでライン部分をマスキングして塗ってしまえばいいのです。が、今回はよく道路で見かける、横断歩道やセンターラインを引いている本格的なライン引きをしてみようというのです。こんな光景です。
 そこでこの道路に引かれているラインですが、なにでできていると思いますか。
 砂と樹脂と白い顔料が主な材料なのですが、意外にもこの中にチタンの粉とガラスビーズと呼ばれる砂のようなガラス粒が混ぜられているのです。チタンの金属紛は自動車のタイヤでの磨耗から守るための強化材なのです。そしてガラスビーズは夜でもキラキラ光るようにとの配慮なのです。そのため特に光らせたい場合は、ラインを引いた直後にラインの上にこの粉を降り掛けます。そんな材料を高温で熱して、溶かしながらラインを引いていきます。引いた後は数分で硬化してしまいます。5〜6分もすれば車で上を走っても平気です。
 そこで実際にこの方法でレンジにラインを引いてみようと思ったのですが、そのレンジへの入り口に段差があったのです。この機材は簡単に数人で運べるような重さではありません。では、どうするのか。
 
 ガムテープの上にラインを引いて、硬化したラインを持って行くのです。
 そのラインを、引く位置にならべて、ガスバーナーで溶かして地面に引っ付けます。直接引く場合より長持ちはしないようですが、ペンキで塗るよりはいいでしょう。これで、出来上がりです。
 では、これでいくらくらいかかるのか。
 いろいろ見積もりはとってみたのですが、ご覧のように機材を搬入して早くても半日仕事ということで、30mから90mまでウエイティングラインも引いて一式で「10数万円」というところでしょうか。ラインの長さや太さによってメーター単位の単価は@¥800〜¥1,500と変わりはするのですが、トータルはあまり変わりなさそうです。ちなみに文字は50cm角で一文字@¥2,000前後が相場のようです。
 ペンキで引くか、焼付けにするか、後はお任せします。

copyright (c) 2010 @‐rchery.com  All Rights Reserved.
I love Archery