パラボリックスタビライザーの組み立て方(基本編)

 「APS」「APS Junior」「Power Rod」の作り方(組み立て方)を説明します。ただしここではパラボリックスタビライザーの初期モデルで、スタビライザーの作り方の基本を紹介しています。そのため一部現行モデルとは異なる部分がありますが、重要なことですのでまずは参考にしてください。
 自分で作ることで、楽しい時間と希望する長さのスタビライザーが簡単に得られます。

 パーツ(部品)は基本的に根元部品(ハンドル側に取り付けるステンレス製)と先端部品(APSとJuniorはアルミニューム製/Power Rodはステンレス製)に、付属部品とカーボンシャフト(AVIA220)が付きます。APSにはパラボリックスライダー(樹脂製)とそのストッパー部品として使うバイターノック、APS Juniorにはステンレスボールが付きます。
(先端のウエイトを取り付けるネジはM6のミリネジですが、その他はM8のヤマハ用とホイット等の5/16インチの2種類があります。)
 
APS Power Rod   APS Junior
 その他、必要な物はヤスリと接着剤(エポキシ系2液混合タイプ)、そして爪楊枝と脱脂のためのシンナーなどです。所要時間は約1時間と接着剤が完全に硬化するまでの時間です。
 
 最初に金属部品の脱脂を行ないます。
 後でカーボンシャフトとの接着面となる部分ですが、ドリルの油や金属カスが残っていることがあります。シンナーかアセトン(アルコールやベンジンでも十分です。シンナーやアセトンといった有機溶剤で直接カーボンロッドを拭いたりはしないでください。)でよく油を落としてください。一番簡単なのは、これらの溶剤をガラス瓶などに入れて、そこに部品を沈めておくのが簡単ですが、綿棒で穴の中を拭いても十分です。
 
 次に自分の希望する長さにカーボンシャフトをカットします。
 アローカッターがあればいいのですが、ない場合は金属ヤスリで丁寧に長さを揃えて切ります。使用するAVIAカーボンシャフト220はフルレングス(最初の長さ)で約32 1/2インチ(82cm)です。APSにはこのシャフトが6本付いています。最長でこれに金属部品の挿入部分以外の長さが追加されるものまで作ることができます。
 また、APSの場合はパラボリックスライダーの「ストッパー」としてバイターノックを使います。(コストダウンのためでもあります) シャフトをカットするように、ノックの二股の溝部分を切り離して差し込み部分をストッパーとします。
 APS Juniorは1本のロッドにこのシャフトが1本付いています。3分割して使いますので、約10インチ程度のロッドが作れますが、もしそれ以上の長さのロッドが欲しければ別途シャフトを必要とします。
 Power Rodは太いタイプのSpecialで6本、通常サイズは5本のシャフトを使います。APSと一緒に作る場合、APSの切り落としたシャフトが使用できる時は最初からPower Rod用に使用する前提でシャフトカットを行なってください。
(フルレングスで使用する場合、両端に割れなどがないことを確認してください。もし余裕があるなら、両端を1cm程度を切り落とすことをお勧めします。)
 
 シャフトのカットが終ったら、接着面となるシャフト表面を荒らします。(金属部品に挿入される部分)
 紙ヤスリを使ってもいいのですが、作業性が良く簡単にできる方法は、ヤスリで鉛筆を削るようにシャフトの表面にキズを付けていってください。特にAVIAのカーボンシャフトは表面に光沢があり、そのままでは接着剤の強度が落ちてしまいます。必ず表面を荒らしてください。
 
 APSの場合は、最初シャフトにストッパーを取り付け(通し)て、パラボリックスライダーにそのシャフトを通します。
 ストッパーを通すのには、スライダーを使うと簡単にできます。
 また、スライダーにシャフトを通すと広がった方と狭まった方ができます。広がった方をスタビライザーの先端側にして、ストッパーは外側のシャフトのスライダーの前後に取り付けて下さい。(なお、実際の使用においては、弓の振動によってどうしてもある程度スライダーが動いてしまうことがあります。ちょうどサイトブロックが位置によって緩みやすい時があるようん、振動が共振することで動きやすいことがあります。これはご了承ください。)
 
 それでは接着を始めます。
 接着剤はエポキシ系のものを使用しますが、作業性を考えると短時間硬化タイプ(数分で固まるタイプ)より数時間を要するタイプの方が使い易いでしょう。
 接着剤は爪楊枝などを使って、金属部品の接着面に多少多めに塗布してください。接着は根元部品から先に行ないますが、シャフトを挿入した後に回転や抜き差しをして接着面全体に接着剤が付いていることを確認してください。シャフトを抜いた時に接着剤が付いていないようであれば、直接シャフトにも塗布するなどしてください。(多少はみ出すくらいに接着剤を付ける方が良いでしょう。)
 根元部品の根元までシャフトを挿入したら、次に先端部品を取り付けます。APS JuniorもPower Rodもそのまま先端部品を取り付けることができますが、APSは一旦シャフトを根元部品から少しづつ抜き出して先端の高さを少しづつ違えます。そして中央のシャフトから一本づつ先端部品の穴に挿入して、最後に一気にすべてのシャフトを根元まで押し込みます。先端部品も根元まで押し込んだ後で、少し抜き出して接着剤が接着面に付いていることを確認してください。もし付いていないようであれば、シャフトを抜き差ししたり直接シャフトに接着剤を再度付けるようにしてください。
 APS Juniorは先端部品を取り付ける前に、ステンレスボールを3本のシャフトの間に挟み込みます。
 接着剤の塗布が確認できたら、シャフトを根元まで完全に押し込んでください。
 
 後は接着剤が完全硬化したら出来あがりですですが、APSは全体が捩れていないか確認して、形を整えてください。
 
 また、APSとAPS Juniorは中央部分が膨らんでいるので、挿入した部品が浮き上がってくることはあまりありませんが、Power Rodの場合は必ず押さえをしたうえで完全硬化を待ってください。

 これで出来あがりです。簡単でしょう。
 いかがですか?!
 そこで実際に作った方からのアドバイスを紹介します。
(メタブラさんから)

 さて、いきなりですがAPR(エクステンションロッド)を自分で加工して長さの変更をしている人がどの位いるか解りませんが、私が何度か製作して上手くいった方法を紹介したいと思います。
 APRを組み立てる時に220のシャフトを6本(5本)同じ長さの物を用意してエポキシ樹脂にて接着した時、中に入った空気が圧縮され常にエクステンションロッドを外に押し出す力が働いています。この結果、温度が高くなったりした時などに剛性が落ち接着が甘くなってしまい暫く使っているとガクガクになってしまう事が有ります。
 そこで私が試した結果ですが、切った220のシャフトの中にコーキング剤を圧入し両端にはみ出した状態で乾燥させ、その後はみ出したコーキング剤をカッターで切り落としエポキシで接着するさい回しながら空気を外に追い出しながら組みます。すると、中に空気が全く存在しない為、常に内側に引っ張る方向に力が働きそのまま組むより遥かに確り固定されるようになりました。ただし完全に空気を抜かないで万力等で両端から強い力をかけるとシャフトが裂ける事があります。
 私が使ったのは一般的に水周り等に使う白いコーキング材です。「バスコーク」ってい言ったかな?で圧入は結構大変ですなかなか入りません、私のやった方法ではコーキング材の口の部分を垂直に切りコーキング材を床に置きシャフトを口の部分にしっかり押し付けてコーキング材を足で少しづつ踏ん一気に中に気泡が入らないように気を付け圧入しました。
 若干重くなるとは思いますが・・・
 コーキング剤なら振動吸収も期待できるかも・・・

(NWOMYKさんから)

 APSのスライダーを留めるストッパーがちょっと扱いにくい(動かしにくい)と思ったもので、色々と工夫してみました。
 ベルトで締める、ネジと金属板でシャフトを挟み込むなどいろいろ考えましたが、まん中のシャフトをはずし、ストッパーの前後に「ゴム栓」を挿入するのが一番良さそうとゆう結論に達しました。このアイデアはAPRにスーパーボールを挟み込んでるという話を参考にしました。


 僕はシリコン栓を使用しました(シリコンとゴムだと、やっぱりシリコンの方が経年変化に強いんですかねぇ?豊胸手術に使うくらいですし・・・)。これらは東急ハンズで購入しました。ゴムの方が安いです。サイズは弓側を#3、ウェイト側を#4にしました。もう1サイズづつ大きくてもいいかもしれません。
 お試しあれ。


(Aibo さんから)

 センタースタビライザ、エクステンションロッド、Vバーロッドを作成しました。他の方も投稿されていますがこれから作成される方に少しでも参考になればと思い投稿しました。
 パラボリックスライダーが少しきつかったのですが、ゴムシート(矢抜き用として利用のもの)とストレッチングバンドスライダとシャフトを握りシャフトを回転させながら挿入しました。ここが一番力を使いました。(^.^; ストレッチングバンドの方が力が入れやすかったですね。自転車のチューブなどもいいのでは?
 この時、AVIA SPORTS 220の名前が同じ位置で外側に向く様に配置しました。(格好良く見える様に)スライダがきつい場合はこの時、チューニング時を意識し中央より10cmほど先へずらしておくと良いでしょう。
 ストッパーは最初先端又は根元パーツを治具にしてシャフトが20mmほど出てくるまで押し込み、次に、ラジオペンチでシャフトを強く挟まないようにしてストッパーをずらしました。結構上手く行きました。但し、挟む方向へ力を入れ過ぎるとシャフトに傷がつくので要注意ですね。
 センタースタビライザの根元、先端パーツの取付けはマニュアル通りにシャフトを少しづつずらしておいたので意外とすんなり取付けられました。ただ、接着剤を塗る前に練習をしましたのでこれも良かったですね。私の場合、スライダがきつかったので、最初からシャフトはずらして置きました。
 両端のパーツを入れた段階ではシャフトが不揃いですので根元パーツとスライダをつかみ、マット等のクッションを敷いた床面に先端部を押し付け、左右に捻りながら押し込みました。 又、最初に全長を計算しておき、ちゃんと計算通りに揃うまで何回か繰り返しました。(揃っていないうちは長さが計算より長い)。そんなに難しくはありませんでした。
 シャフトのカットに私は高速カッター(据置き型)を使いました。ただし、そのままシャフト切ると切り終わりの部分がささくれてカーボン繊維が剥がれますので、実験の結果ポリプロピレンフィルムテープ(ビニール、プラスチック補修用)を切断部に巻きつけておきテープごとシャフトを切断しました。これは大変上手く行きました。始めに折れた矢で練習すると良いでしょう。
 ビニールテープでは弾力性に富んでいるのでささくれが出来ます。又、切断が終わる所(切り終わり部)であまりゆっくり刃を移動しますと熱でテープが伸びるからか、やはりささくれがおきてしまいます。伸びないテープなら何でもいいのでは?
 シャフトを切る為に、台座も少し工夫をしました。L字型の金具を板に取付け、それにカッターを載せて、L字型金具をストッパーにして切ると、
一度長さの調整をすれば後はスイスイ切れます。\(^o^)/
 以上、長々と書きましたが少しでも参考になれば幸いです。

ふたたび(メタブラさんから)

 Aiboさん始めましてAiboさんってもしかしてアイボオーナーの方?
だったら仲間ですね!家のは初期型で名前は「デコタン」です。(^o^)丿
 これだけでは削除されかねないので・・・
 私はシャフトを糸鋸で切って鑢でセコセコ長さ合わせてます。ノギスで正確に長さ合わせて・・・ で、手にカーボンが付くとチクチクして痛いですが布のガムテープ(正確にはクラフトテープ?)で取ると上手く取れます多分身体にも悪い・・中学の頃からカーボン加工してるのでヤバイかも
でわでわ

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