怒られるかもしれませんが、例えば今の日本で当ってる連中のほとんどは、単に矢の選択がうまくいったアーチャー達と考えてもいいのではないでしょうか。特別に技術的に優れるとか才能があるということではなく、弓と矢、射ち方と矢のマッチングが良かったから結果として当ってしまったということです。逆の状況を考えるともっと分かり易いかもしれません。カーボンアローの時代になってから、世の中にはなぜこんなにかっこ良く射つのに当らないの、と思う連中がいっぱいいると思いませんか。不思議な状況が片方にあって、もう片方にはあれで日本代表と思う状況があるのです。だからこそ日本で勝てても、世界ではまったく通用しなくなったのです。しかし日本で勝つだけなら、とりあえずは自分に合った矢を手に入れれば、そんなに難しいことではないということです。 |
こうなってしまった原因はいくつかあるのですが、アルミアローからカーボンに変わってひとつのサイズ(スパイン)の矢が許容できる範囲が狭くなったにもかかわらず、矢が速く低く飛んでしまうことで、アーチャーは当たり外ずれではなくスピードとサイトの高さに満足してしまったことがあります。もうひとつは、選択肢のなさです。独占メーカーの広告と選手対策にはまってしまっているのです。1本5,000円の矢を使って勝っている連中がいる一方で、その同じ矢を地面に射ち込むそれ以上にたくさんのアーチャーがいることを忘れてはいけません。あるいは1,500円の矢でパーフェクトが出ているのに、高い矢が良いと信じるアーチャーが多いことにも問題があります。 |
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そこでそんな現状を危惧するアーチャーから、矢のサイズ(スパイン)の選択でよく相談を受けます。その時最初に言ってあげるのですが、「ゼッタイ」はありません。同じ弓で、同じ長さを引くからといって、同じスパインになるとは限らないのです。(なることもありますが。)スパインは弓のセッティングが変われば変化します。そしてなによりもアーチャーの射ち方や技術に左右される部分が非常に大きいのです。また、アーチャーによっては意識的に重い矢を使ったり、硬めの矢を使う場合もあります。矢の選択は千差万別なのです。そんな中でアーチャーは自分に合った、満足な的中を与えてくれる矢を選ばなければなりません。これを間違うと、いくら完璧なシュートをしても矢はゴールドを外すのです。 |
ここで言う「矢」とはスパインのサイズだけではありません。メーカーやモデルも含まれます。先にも言ったように、トップアーチャーが使うから当たるのでもなければ、値段の高い矢が自分に合った良い矢では決してありません。その意味から、選択肢は多いに越したことはないのです。許容範囲が狭い矢だからこそ、選択肢の多さは重要です。例えばひとつの種類の矢から選ぶとなれば、サイズの間に位置するアーチャーはその矢を使う限り満足と的中は得られないのです。アーチャーは多くのブランド、多くのサイズから自分に合った最良の矢を選び出す努力をしなければなりません。 |
それを実現するのに必要なのが、「経験則」と「授業料」です。たくさんの経験則を得るには授業料は不可欠です。しかし授業料は安いに越したことはありません。そこで無駄な授業料を払わないためにも、他人の経験則である「チャート表」は参考になります。しかし、これもあくまで参考であり、ゼッタイではありません。例えば最近のCTマッキニーのチャート表は、なぜか柔らかめのシャフトを薦める傾向にあります。また、EASTONのチャート表は逆に硬めでヘビーポイントを薦めたがります。 |
そんな中で、今回はここの常連でもある「ハッシーさん」が作られた力作チャート表(無断転載禁止)を紹介します。不明部分はCarbon
Teck のヘルプセンターにも聞いて作られた表で、コンパウンドでの選択も分かり易くなっています。 |
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