では最近多く使われるEASTON社のアルミチューブにカーボン繊維を巻付けたシャフト(ACEやX10と呼ばれる)のサイズはどうでしょう。ここにも4桁の数字が印刷されていますが、これはあくまでもコア(芯)となるアルミシャフトのサイズであり、実際にはこれにカーボン繊維の厚さがプラスされます。そして実際に矢の硬さを決定付けるのはカーボン繊維の量や質、そして巻かれている方向のため、この数字はまったく意味を持ちません。 |
そこで、カーボンシャフトにはスパインの測定値(たわみ量)がそのまま3桁の数字で書かれています。(520のシャフトは0.52インチたわんだというように。) ただこの測定値は先の測定方法では、実際に使用するシャフトの長さから1インチ(1/2+1/2インチ)引いた長さが支点間の長さになっていたのに対して、ここでは一般的な硬さを表す基準として使われるため、シャフトの長さを一律に28インチ(支点間長さ)として測定しています。しかしこの表記方法もEASTONらしい傲慢さであり、あくまで比較の対象としての意味合いしか持っていません。(数字が大きい方が小さい数字の矢より柔らかい、というように) |
※EASTON社はカーボンアローについては各サイズ共通で、支点間距離「28インチ」、掛ける重さを「1.94ポンド」(880グラム)を基に測定しています。 |
このようにアーチャーは「スパイン」という言葉で矢の硬さを表現します。しかし、実際には矢には硬さだけではなく、太さや重さ、それにポイントの重さや長さ、そしてハネの形状やノックの長さや形状など多くの要素があり、これらが複雑に絡み合いながらアーチャーズパラドックスを経て90mから18mの空気中を飛翔しているのです。 |