Lesson 13 |
「正十字」の基本を確認する。 |
弓を射つ(持つ)前に、まずは弓を持たずにやってみる。これは非常に重要なことです。基本を身に付けるなら、まずはシャドーシューティングから練習する。何も持たなくても難しい動作を、重く強い弓を持って初心者ができるはずがないでしょう。 |
弓を持たずに「正十字」(基本射型)を行います。@
肩幅と同じ広さにスタンスをとり、背筋を伸ばして真っ直ぐに立つ。 A
両手を肩の高さまで左右に広げ、平面を作り出す。 B
顔をターゲットと真っ直ぐ向かい合わせ、アゴを軽く引く。 C
そのアゴの下に開いていた右手を真っ直ぐ持ってくる。 これがここまで述べてきたアーチェリーの基本です。この動作ができるようになったら、次に弓を引きながら同じことをしてみます。 |
この時気を付けなければならないのは、意識(心)を矢と一緒にターゲットに飛ばさないことです。例えば、一見フォロースルーをきちんと残しているようで、実際には頭が動いているアーチャーが多いのです。その原因のほとんどが「心」が残っていないことに起因します。 |
弓を持っても、持たなくても同様に
@〜C
ができれば越したことはありません。しかし初心者にとっては、そう簡単にできるものではありません。そこで
@〜C
の実行をフォロースルーにおいて、アーチャー自身が確認する方法があります。 |
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まずは繰り返しになりますが、フォロースルーでは決して頭を動かさないことです。リリースが終わっても、頭をフルドローと同じ位置に固定して、そのうえで(その形で)押し手や引き手の指先を確認します。押し手が一本の棒のように真っ直ぐ的に伸びているか。ハンドルはゴールドの左側にあるか。引き手のロープは緩まずに、その指先は耳の下に来ているか・・・。そして最後に@からCのチェックポイントを逆に確認していきます。 |
Cゴールドを見たままで、右手をそのまま開いてみます。リリースは肘の先端で行われていたか。ロープは緩んでいなかったか。リリースは真っ直ぐ後に飛んでいたか。などがこれによって確認できます。次にその両手を開いた状態のままで、B顔をゴールドから目をそらし正面に向けます。そうすると今度はここで、身体が倒れて後傾になっていないか。肩は詰まっていないか。正十字で射っていたか、が簡単に確認できます。そしてそのままで、今度はAそのまま首だけを動かして下を見ます。すると、腰は捩じれていないか、身体の軸は傾いていないかをチェックすることができます。最後に@足元を見ます。これですべてが「真っ直ぐ」「自然に」「平面の中」でシューティングが行われていたかの最終確認となるのです。 |
初めはちょっと面倒くさいかもしれません。しかしこの一連の確認動作をアーチャーが自分の意識でできるようになれば、フォロースルーが取れるようになっただけではなく、「意識」をターゲットに飛ばすことなく、「心」をシューティングラインの上に残すことができるようになるのです。 |