Lesson 24 |
練習では必ず目的を持ち、何のための練習かを理解させる。 |
練習であっても試合であっても、アーチャーはシューティングラインをまたぐ時は必ず「目的意識」(テーマ)を持たなければなりません。特に初心者にはこのことを繰り返し教える必要があります。何のために今自分は射っているのか。どうして今○○を意識しているのか・・・・。こうした目的意識がなければ、決して実りある練習にはなりません。 |
そこでまず指導者は練習の中身について考える必要があります。練習方法には大別して、「反復練習法」と「試合形式練習法」のふたつがあると考えれば分り易いでしょう。しかし多くの指導者はこれらを混同して考えています。 |
反復練習法とは普段一般に行われている「練習」と呼ばれている、弓を射つ方法です。同じ動作を繰り返す(反復)ことによって、フォームをマスターしたり技術や技能を高めることを目的としています。この練習の時には、得点(スコア)のことを考える必要はまったくありません。目先の点数や勝ち負けではなく、自分自身の向上を考えるのです。 |
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一方、試合形式練習法では、目的はあくまでも試合での実力発揮であり、例えば練習試合や紅白戦などもこれに含まれます。こちらは反復練習とは異なり、本番と同じようにスコアや順位を貼り出し、時間を計り、試合により近い状況を作り出します。そんな中で自分のシューティングや心の変化、あるいは欠点を知ることができます。ここではいかに当てるか、いかに勝つかが問題となります。そしてそんな中から確認、反省したことを再び反復練習法で鍛え直すのです。試合形式練習法は、より本番に近い状況設定の中から、自分の状態を見極め、そこから一層のレベルアップを目指すためのものです。 |
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これらふたつの練習方法は、どちらが良いというものではありません。どちらが欠けても良くないのです。選手の状態やクラブの状況に合わせてうまく組み合わせることによって、より高い成果が期待できるのです。 |
例えばまだ基本をマスターしていない初心者に試合形式練習法ばかりを繰り返しても意味がありません。その段階であれば反復練習法をしっかりと行うことで、まずは技術的に満足のいくレベルまで達します。そこで初めて試合形式練習法が必要になってくるのです。逆に技術的に完成された選手に対しては、反復練習法よりも試合形式練習法を行うことで、試合での実力発揮や反復練習法におけるテーマが明確なものとなってきます。 |
そしてこれらの練習の目的なり課題は、指導者としてあらかじめ初心者に対して説明しておく必要があります。初心者だからといって、単に弓を射ってさえいればよいというものでは決してありません。お互いなにを目的として練習しているのかを知り、納得することで初めて練習の成果が上がるのです。 |