Tetra Bar 再び

 もう10年以上前に作り、提案した「テトラ」を再び作ります。あの後も結構たくさんの方からご要望をいただいていたのですが、なんとなく今日までその気にならなかったのですが、またまた再び突然の思いつきで作ってみます。
 テトラは一般的に使われている「Vバー」に「ダウンバー」を追加する形状ですが、今回変更箇所が2つあります。
 開き角度を「75度」にします。90度は個人的に好きではないのですが、テトラの場合少し重心も前に移動するため、前後のバランスを考えて狭い目の角度にしました。
 もう一つは重さです。せっかくなので軽くします。他のVバーもそうなのですが一般的な「留めネジ」の場合、その形状に制約を受けるためにネジの重さやそれによる全体形状が限られたものになってしまいます。そこで今回、他のVバーへの互換性はなくなりますが、テトラ用の「留めネジ」をデザインすることでネジと全体形状を極力コンパクトにして軽量化を計りました。もちろんデザインも考慮します。アルミ棒を切っただけのVバーは好みではありません。
 これは試作前のVバー部分のラフ図面ですが、、、現行の留めネジも考えましたが、専用留めネジでこんな感じを考えています。
 
 そこで「テトラバー」の使い方とその効果ですが、、、
1)もしカウンターバランス(ハンドルのアーチャー側に付けたウエイト)やハンドルの的側にセンターロッド以外にダンパーやウエイトを装備しているなら、その「重さ」をテトラの「ダウンバー」部分に移動させてください。
2)もし発射時の振動やショックを解消したいなら、「ダウンバー」部分に「ダンパー」(可動部)を装備してください。またウエイトだけを装備するのでなく、ダンパーとウエイトの間に短いロッドを配するのも方法です。
 
 テトラバーは総重量を増やすことなく(肩への負担を軽減しながら)、他のダンパーやウエイト以上の効果(発射時の弓の飛び出しやエイミング時の安定感)を得ることができます。
 主な効果と特徴はこんなところです。
■「微振動の吸収」 
 ダンパー位置がセンターロッドと直結し、弓の中心線と平行にあることで、微振動を効率良く吸収します。(エイミング時のサイトピンの震えや揺り戻しを軽減します。) 
■「弓のバタツキの軽減」 
 カウンターバランスと同様の効果があり、リムの復元方向の振動をセンターロッドとともに吸収するため、発射時の大きいショックを一気に吸収します。(発射時の弓の安定が高まります。) 
■「エイミング時の安定感」 
 弓の重心位置が下方に移動するため、エイミング時の安定感と発射時の安定が大きく向上します。(それでいて、弓の発射時の自然な動きを阻害しません。)
■「弓の自然な飛び出し」 
 弓の前方への動きを確保します。安定感だけでなく、シューティング全体の流れとリリースのし易さが得られます。(的方向への自然な動きを助けます。) 
■「キックバックを抑制」 
 発射時の弓の跳ね上げを効果的に抑えます。 
■「最小限の負担で最大限の効果」 
 グリップの下方向に重さがあるため、不必要なモーメントがかからず押し手の負担が軽減されます。 
■「使用時のセッティング変更が可能」 
 例えば、試合中にウエイトを減らしたいと思えば、そこで軽くしても矢飛びやチューニングへの影響が小さいため多様なセッティングが可能になります。
■「インドアチューニングへの対応」
 例えば、インドアチューニングや無風条件下では、ロッドを長いものに変えることで安定感や振動吸収効果が増す一方で、肩への負担や弓のバランスを大きく変えることなく対応できます。。 
 

 
 完成しました。
 もちろん新潟県燕市で製作、精度と品質は問題なくメイドインJAPANです。
 高硬度「#6000」のアルミ素材を使用。前回同様デザインにこだわりながらの軽量、コンパクトで作りました。
 重さは留めネジを含め「53グラム」。

 開き角度「75°水平+ダウンバー」。

 穴はすべて「5/16インチ」。

 色は「ブラック」ト「シルバー」のアルマイト加工。

 ということで、Vバーにも性能があることを、ぜひ「テトラバー」で試してみてください。
 よろしくお願いします!

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