インナーノックの外し方

 オールカーボンアローの場合、その構造上「アウター(アウト)ノック」と呼ばれる、シャフトに被せるタイプのノックが一般的です。(そうでないとシャフトが割れやすくなるのです。) ところが日本で多く使われるカーボンアローは、アルミチューブをコアにカーボンを巻きつけた、アルミ/カーボンアローと呼ばれるシャフトです。この場合、アルミが芯材としてあるために、「インナー(イン)ノック」と呼ばれるシャフトに差し込む形状のノックが可能になってきます。
 これらはどちらがいいかといえば、一長一短があり好みも含め自分で選ぶしかありません。強度的にはスタビライザーのネジ部分が被せてあっても中に入っていても同じように(同じなのです)、実際には強度以外の要素で選択されるものです。例えば、アウターノックは光りやすく視認性にすぐれ的中位置を確認しやすいのですが、コンパウンドアーチャーにはその出っ張り(シャフトより太いノックの部分)がレストの形式によってはクリアランスを邪魔する場合があります。あるいはアウターノックはシャフト自体を保護してくれますが、インナーノックはそうでもありません。
 そんな選択肢の中で的面のアローに後から来たアローがヒットした場合など、ノックが壊れることがあります。そんな時、アウターノックは結構簡単に取り外せるのですが、インナーノックの場合は壊れた部分によっては取り外しにくい状況が生まれます。それは、シャフト内部に差し込まれた棒状の部分だけが残ってノックが壊れる時です。この時シャフトも壊れれば納得(諦め)もいくのですが、シャフトは大丈夫なのにノックの芯だけがシャフト内部に残るとそれを取り外さなければなりません。
 これを取り外すには「木ネジ」を使います。木ネジを、優しく残ったノックの芯に捻じ込んでいき、一気に引き抜きます。これは個人的なことなのですが、昔からなぜか錆びた木ネジをいつもクイーバーに入れているのですが、銀色のネジより錆びたネジの方が使い勝手がいいような気がします。
 ところが最近、「インアウトノック」などと呼ばれる、インノックとアウトノックの両方の長所を持ったノックが出てきました。差し込んで、かつ被っているために取り付け精度やシャフトの耐久性が向上するというわけです。
 しかし、困ったことがあります。芯に穴がないのです。木ネジが入りません。無理に入れると、芯がシャフトの中に入っていって、抜けなくなってしまいます。そんな時は、穴を開けるしかありません。
 キリのような尖ったものを熱します。そして優しくシャフトの中の芯に、少し穴を開けて(溶かして)やります。
 あとは同じ。錆びた木ネジを捻じ込んで抜けばOKです。とんでもなく高価な矢が助かります。

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