有弓休暇(24)

 夏の白馬「木戸花荘」と春の伊勢志摩「合歓の郷」は、毎年そして何10年もお決まりで通っているところです。
 とはいっても、夏の合宿は新人の指導や教育が主たる内容になり、1年生は走り回るのですが、春は違います。目前に迫ったリーグ戦を前に、1年生も含めた「強化合宿」的「レベルアップ」的色合いになります。となれば、射場の用意や食事の準備などといった雑用は極力少なく、全員が射つことに集中できる環境が望ましくなります。その意味でリゾートとしての「合歓の郷」は京都からも近く、温かく最適です。
 実はこの「合歓の郷」は、1967年にヤマハリゾートととして川上源一さんが作ったものです。1970年には、ヤマハが世界チャンピオンのハーディー・ワードを呼んだ時、ここでデモンストレーションの大会をしたり、選考会も何度か行っています。1974年に開業した掛川の「つま恋」より遥か昔です。源一さんは「合歓の郷」のノウハウを生かして「つま恋」を作りました。その後ヤマハは、南西諸島の「はいむるぶし」や北海道の「キロロ」など日本全国にリゾート施設を展開、そしてアーチェリーの普及にも努めました。
 そんなヤマハもアーチェリーだけでなく、スキーやテニス、ウエアやシューズなどすべてから撤退。現在ヤマハにスポーツで残っているのはゴルフ事業部だけです。そして当然のことのように、ハードがなくなればソフトとしてのリゾートからも撤退を余儀なくされます。一昨年(2007年)、ヤマハは地元の「つま恋」と「北の丸」こそ手放しませんでしたが、ここ「合歓の郷」と「鳥羽国際」「キロロ」「はいむるぶし」を三井不動産に売却しました。
 そんなわけで1970年代から毎年お世話になっている「合歓の郷」も、今ではヤマハリゾートの看板は付いていません。しかし幸いスタッフは昔ながらの知っている連中で、もちろんアーチェリーに理解があります。(正直なところ、三井不動産にはこの種のノウハウがなかったから手に入れたかったのもあるのですが、そのノウハウが予想以上に大きいものであったのも事実のようです。)
 
 ということで、今年も学生と一緒にお世話になってきたのですが、、、ちょっとサプライズゲストがありました。
 安倍さんが昭恵夫人とともに、完全なプライベートで伊勢神宮の後、ゴルフに来ていたのです。そしてゴルフの後、合歓の郷に宿泊だったのですが、合宿をしているのを聞かれたらしく、「表敬訪問」したいとの申し出がありました。ところがあいにく、ちょうどなか日で練習がフリーだったこともあり、最初お断りしたのですが。。。
 安倍さんは全日本アーチェリー連盟の会長でもありますが、これまでお会いする機会はありませんでした。とはいえ、学年は違うのですが「昭和29年」生まれの同い年ということで、向こうは知ってくれていました。(32年前、こっちは向こうを知りませんでしたが (^_^.)  そんなわけで、ほんの短い時間でしたが、円陣で挨拶をいただき、みんなで記念写真を撮って、学生一人ひとりに握手をしてくれたり、思い出に残る合宿になりました。
 公務では3人のSPが付くそうですが、プライベートでも必ず1人SPが付き、移動もマイクロバスで大変そうでした。翌日は早朝から体操をしているところを、奥様がひとりでのジョギングされているのに遭遇。長く、まっとうにやっていると、いろんなことがあるもんです。選挙、頑張ってください。

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