視力の衰えと補正

 昔、ダレル・ペイスと話している時。彼はその情熱を語る中で、「身体的に問題はない。シューティングの流れもある。年老いたということもない。病気もしていない。目も大丈夫だ。何かを犠牲にして時間を作れば何とかなる・・・・。」と話していたことを思い出します。
 しかし、情熱や身体的機能は維持できても、髪の毛とセックスと視力だけは、悲しいかなどうしようもない部分に属するのかもしれません。特に今の時代でもどうすることもできないのが「視力」です。
 30数年間裸眼で左右「2.0」(実際には2.2なのですが)の視力を維持しながら的を狙い続けていた目が、最近どうもおかしい状態にあるのです。サイト目盛りが見難くかったり、インドアなどの暗い状況で狙い難いのもあるのですが、それ以上にここ半年はシューティングライン上で自分の感じた的中位置と実際の的面での的中位置に左右のずれが生じてきているのです。それに合わせての集中力の欠如です。
 そこでメガネはサングラス以外は使ったことがなく、シューティングではサングラスも使ったことがない者が初めて視力の補正を考える状況に追いやられました。しかし、メガネの量販店に飛び込めばすむというものでもなく、それ以上に知識としてクリアしなければならない問題がありました。

 ダレル・ペイスを含め、世界チャンピオンでメガネを使用するアーチャーは少なくはないのですが、メガネを使ってエイミングしたことのあるアーチャーならそのゴールドを見る視線がメガネレンズの結構端の方を通過しているのを知っているはずです。場合によってはメガネフレームと重なるくらいのところを通っている場合もあります。悪いとは言いませんが、しかし理想を言うなら・・・・
 
  1)レンズが視線(照準線)に対して直角に配される。
  2)視線がレンズの中心部を通る。
  3)目とレンズの距離が常に一定である。
 
 これらの条件は普通にメガネを掛けて前を向いて生活している時には満たされているのですが、同じメガネでアーチェリーをするとなると問題があるのは一目瞭然です。それは網膜上の画像の歪を生み出すからです。
 この問題を解消するにはアーチェリー同様の競技であると同時に、より高度な照準を要求され、すでに十分なノウハウを持っている「射撃競技」に学ぶしかありません。とは言っても日本で使用するアーチャーを見たことがないので知らない人がほとんどと思いますが、海外の競技では結構使っているアーチャーを見かける射撃用メガネの使用です。

 しかし、このような特殊なメガネは量販店はもとより、普通の眼鏡店には売っていません。では銃砲店に・・・・ということになるのですが、実は我々が見かける銃砲店はほとんどが狩猟であり、散弾銃を扱う専門店なのです。競技としてのライフル射撃の専門店となると、これはアーチェリーショップを探す以上に難しいのです。日本に数店、競技人口6000人とアーチェリー人口の半分から考えれば、これが適正店舗数とも思うのですが、それはともかくとして・・・・。
 ライフルショップ エニス 〒150-0021 東京都渋谷区恵比寿 2-3-8 高久ビル5階
 03-3461-8640
 
 銀座銃砲店 〒104-0061 東京都中央区銀座 6-9-11 サノヤビル3階
 03-3571-2639
 
 國友銃砲店 〒600-8032 京都市下京区寺町通仏光寺東 國友ビル3階
 075-351-3037
  
 ガンショップ ナニワ 〒556-0011 大阪市浪速区難波中 2-8-95
 066-641-5528
 
 これら以外にもあるのかもしれませんが、この専門店はどこも常時在庫を持っておられます。そこで、今回は恵比寿エニスの津場さんにお世話になりました。(1999年5月調べ)
 山手線「恵比寿」でガーデンプレイスとは逆の西口を出て、線路沿いに渋谷へ向かい徒歩5分。一つ目の交差点「恵比寿西一丁目」の向かいに見える「高久ビル」を5階に上がるとそこがお店です。これがまたアーチェリーショップと同じ、マイナーで場末でマンションの一室という、20数年前はアーチェリーもみんなこんな世界だったなと思うなつかしい素敵なライフルショップです。ぜひここに限らず、同じ的中精度を競う競技を知る意味でも足を運ばれることをお勧めします。

 現在、日本で入手できる機種は2種類。ドイツ製の「Knobloch」とスイス製の「Champion」。どちらも性能、機能的にはまったく問題はありません。特に「Champion」はまぶしい時に簡単にレンズの上に取り付けられるカラーフィルターなどもオプションとして揃っていて満足のいく商品です。しかし、今回は安いという訳ではないのですが「Knobloch」のフレームと付属のものより小さい直径25mmのレンズホルダーを購入しました。カード使用のため¥22601の出費でした。(機能的には「Champion」の方が優れているのかもしれませんが、可動部位が多いのであえてシンプルな「Knobloch」を選びました。どちらにするかは好みです。)
 
 フレームが手に入れば、次はレンズです。ところがメガネを掛けたことのない者は、ここでも一苦労です。
 ともかくは、近所の評判と言われる眼科に足を運びます。そこでこの特殊な(?)フレームを見せて説明のうえ希望を言うのですが・・・・。
 まず簡単な検査の後で視力を測るのですが、視力計(あの「上、下、右、う〜ん・・・見えません。」ってやつです。)の一番下も見えるのです。結果は視力は落ちているものの1.5から、ほとんど2.0とのことでした。左は少し遠視がきつくなっているのですが、問題なしというのです。しかし、こちらは90mから30mでもっと視力を合わせたいとの希望を力説するのですが・・・・通じません。たしかに手前はだめで、本の字は見難いのですがそれは老視(最近は老眼とは言わず、こう呼ぶのです!!)のせいで仕方がないとのこと。そんなことは分かっているのだ!! 字なんか見えなくてもいいから、ともかく50mではっきり10点を見させてくれ〜。っとすったもんだの末、専門の先生に相談しますのでもう一度来てください、と初体験は終了。初診料を含めて¥1420の支払いでした。
 一週間後。普通の眼科では5m離れた所にある視力計を「無限大」と考えて、それ以上の距離は考えていないとのつれない回答でした。たしかに眼の筋肉は何も意識していない時は弛緩して、無限大に視力があっているのは事実です。しかし、無限と5mではあまりにもかけ離れています。こちらは両方同時に合わせられるレンズを望んでいるのではなく、手前はどうでもいいので、ともかく90mから30mと言っているのです。よほど視力の悪い人やメガネの量販店でウインドの外の景色を見ながら合わせるのなら、ここで希望のレンズが入手できるのでしょうが、5mでなんら問題ない眼にとっては普通の眼科では話が通じないようでした。
 そこでこの眼科の紹介で、その種の矯正に多少は詳しいという○○県立医大病院眼科外来担当に紹介状を書いてもらいました。今回の支払いは¥1180でした。

 ここで一応参考までに、ということでメガネの量販店に飛び込んでみました。
 ここでもフレームを見せて説明するのですが、基本的には眼科といっしょで遠い方に、それも90mという距離になるとそんな客はいないと、どうしようもない様子です。とりあえず検眼をしてもらいました。この種の店では視力計でなく、覗き込む検眼器で測定しました。結果は遠くを見るにはメガネは必要ないでしょう、という回答と左目がやはり少し遠視がきつくなっているとのことでした。もし左右を合わせるのであれば、右目に近視のレンズを入れるとのことですが、その場合でももっとも度が弱いレンズでしょうとのことでした。
 レンズは意外と安く、ガラスでもプラスチックでも¥2500からとのことです。サイズが小さい(直径25mm)ので加工に数日必要とのことですが、値段は同じだそうでした。そして安い最大の理由は片目のためレンズが一枚ですから、値段は普通のメガネの 1/2 です。
 
 この先は専門医にみてもらってから、ということになるのですが県立医大は近くないので、できるだけ早く顛末は報告させてもらいます。
 しかし、この種のメガネはぜひお勧めします。

追記:忙しいのとメガネに馴染めそうにないという気持ちが先に立って、医大にもいかず補正も今のところ行っていません。
 

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