サイトも曲がる?!

 コンパウンドボウのサイトを見るとリカーブボウとは違ってレンズが付いているのは分かるのですが、サイトブロックに取り付けるネジ部分も異なるのは知っていますか?
 一般にリカーブ用のサイトでは8/32インチ(M4)というネジサイズを使用しますが、コンパウンドでは10/32インチという一回り太いネジを使っています。0.7ミリほど太くなっているわけです。そしてそれだけではなく、コンパウンドのサイトはネジを直接サイトブロックに通すのではなく、さらに一回り太いスリーブ(筒)に通したうえで固定します。
 その理由が分かる出来事が起こりました。愛用している8/32インチのサイトピンの棒が曲がってきたのです。知らないうちに何かにぶつけたのかと思っていたのですが、そうでもなさそうです。
 この冬は11月30日に、インドア用に物置から鳥羽根のアルミアローを例年のごとく持ち出してチューニングを始めたのですが、(とはいっても最近はそんなにたいそうなことはせず、レストを貼り替える程度ですが)今年はなぜか18mのサイトがバーの上限でとれなくなってしまいました。そこでアウトドアより1段、バーをエクステンションより上に移動させて取り付けていたのです。それから約2ヶ月、3500射程度でサイトが曲がってきたのです。36年アーチェリーをやっていて初めての経験です。サイトは6年目、サイトピンは10年以上同じものを使っています。
 「共振」という、理科で習った現象があります。「振動体にその固有振動数と等しい振動数の外力が作用するとその振動体は共振する。」わけです。そこに普段とは違う力が加わるのです。とはいっても、必ず起こるとは限りませんし、どこでも起こるわけでもありません。よくいろいろな距離を射っていると、サイトの位置によってビビリ音が出たり、ネジが緩み易い位置があったりすることはありませんか。あるいはこのストリングハイトの時は、このスタビライザーがよく緩むといった経験はありませんか。
 多分今年のインドアチューニングでは偶然それが18mのサイト位置に起こったのでしょう。
 それにしても凄い力です。こんな経験を滑車を使うアーチャーは、長年のノウハウとして身に付けてきたのでしょう。
スタビライザーの取り付けネジが1970年代後半ケブラーストリングの一般化で、1/4インチ(M6)から5/16インチ(M8)へと仕様変更されたようにです。
 それを思えば、サイトを選ぶ基準も考え直していいのかもしれませんよ。
 

(上記は多分2004年2月に書いたのですが、以下は2007年2月の出来事です。)
 
 「サイトのネジが折れました(添付画参照下さい)、ネジは3日前に購入した物です。」、という相談メイルをいただきました。ご本人は振動が大きいような気がする、ということでした。
 そこでコンパウンドの専門家に、ご意見を伺いました。その回答として、振動が大きくなる原因として考えられるのは、
□ リムボルトをかなり緩めている。
□ アイドラーのチルトが大きい。(フルドローで垂直になっていないなら、ケーブルのヨーク調整が必要)
□ ケーブルガイドのオフセットが大きすぎる。(アイドラーのチルトに影響あり)
□ ドローレングスが長すぎて、リリースが膨らんだり引っかいたりしている。
 などのアドバイスだったのですが、それに加えて個人的には、「サイト本体がリカーブボウ用では?!」と回答しました。
 まわりのコンパウンドアーチャーにも相談されたようですが、やはり「サイトがこれでは当然。」との結論にたどり着かれたようです。
 「10/32インチ」でも、条件が重なればこんなに簡単に曲がってしまうのです。。。。

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