「無垢」⇒「チューブ」 / 「パイプ」⇒「テーパー」⇒「ストレート」

/ 「鉄」⇒「アルミ」⇒「カーボン」 / 「単数」⇒「複数」

 弓の 「振動吸収」 をいう時、ふたつの部分で考える必要があります。
  1) 矢を発射した時の 「ショック」 で語られる、弓のバタツキなどの大きい振動。
  2) エイミング時のサイトピンの震えに代表される、微振動。
 
 一般的、あるいはレベルの低いアーチャーには 1)の振動が見た目にもはっきり現れ、体感しやすいので重視されがちですが、実はこの振動は発射に伴って起こる動きであり、実際には矢がレスト部分を通過した後であるため的中にはほとんど影響をおよぼすものではありません。ただし、アーチャーが初心者であったり非常にレベルが低い場合は、弓の動きが気になって(恐くて)正しいフォーロスローが保持できなかったり、同じ理由から射つ瞬間にサイトピンが動いてしまうといった弊害も起こります。また、その振動の原因が弓やリムの性能から起こるものであれば、スタビライザー以外で改善する必要はあります。
 しかし、中級者以上のアーチャーであるなら、もっとも重要視しなければならないのは 2)の問題です。特に近年、矢の高速化や過度の緊張を伴う試合形式においては、シューティング技術の向上に合わせての 微振動の解消による正確なエイミング環境の獲得こそが勝敗の分かれ目ともなってきました。

 実は 2)の問題はシューティングマシンを使った場合などではまったく発生しないのです。なぜなら、 1)の大きい振動が弓の動きによって作り出されるのに対し、 2)の微振動はアーチャー(人間)自身が作り出す動きだからです。それはシューティングマシンと呼ばれるような世界のトップアーチャーであったとしても、機械でない限りは必ず存在する動きです。アーチャーはこの現実を決して忘れてはなりません。
 そしてもうひとつ、考えなければならない問題は 「揺り戻し」 と呼ばれる現象です。本来、スタビライザーは弓の動きを止めるために取り付けられているのですが、その性能や取り付け方によってはスタビライザーに伝わった振動が 「共振(増幅)」 してエイミング中のアーチャーのサイトピンを襲うのです。そして残念なことに「ストレートロッド」に代表される高剛性スタビライザーの台頭で、この悪条件はより一層一般のアーチャーの中に浸透してしまいました。今一度、高剛性による大きい振動の解消だけでなく、微振動の解消を積極的に図ることを考えてみてください。

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