ルネ・クレマン監督、アラン・ドロンの「太陽がいっぱい」、のリメイク「リプレィ」でマット・ディモンと演じたジュード・ロウが主演した2001年の映画「スターリングラード」はご覧になりましたか?!
 最後のエイリアン的、ターミネーター的展開はちょっといただけなかったのですが、今はレンタルビデオでも観ることができますので、一度ご覧ください。
 1942年8月23日から1943年1月31日の間、スターリンの功績を称え命名されたこの町で繰り広げられたソ連とドイツの戦死者110万9000人におよぶ死闘の実話を、ソ連の伝説的英雄であるスパイナー(狙撃手) ヴァシリ・ザイツェフの視点をとおして描くまぁオススメの映画です。
 が、もっとおもしろいのはこの原作です。デイヴィッド・L・ロビンズ原作の「鼠たちの戦争」(上・下)新潮文庫。ヴァシリ・ザイツェフも実在の人物でソ連の教科書には載っていた人物らしいのですが、その展開はゴルゴ13と同じです。それもマンガではなく、事実です。上下巻でちょっと長いんですが、こちらは映画以上にオススメです。

 「ママイェフ・クールガンで将校どもを狙っていたときのことです。わたしは標的を見下ろす斜面に忍び寄りました。やつらは砲弾穴に溜まった雨水のプールでひと風呂浴びているさいちゅうだった。そのとき、自分が斜面の下に向かって撃ち下ろしていることを計算にいれ忘れたんです。」
 「それで?」
 「疲れていたので、射撃の際に射距離の八分の一を引かなかった。おかげで標的を撃ち越しました。将校たちはプールから飛びだしていきましたよ。」
(上巻53ページ)
 「これでわかったように、地下室の壁に向かって撃つのと屋外の射撃とではまったく勝手がちがう。実戦に出れば、風向きや湿度、気温、自分より高い位置に向けて撃つのか。それとも低い位置に撃ちおろすのか。さらには朝か昼かといったことまで計算に入れなければならない。すでに大部分の者は狩猟の経験がある。しかし、これほどの長射程でスコープを使って射撃することにはみんな慣れていない。必要なのは狙撃手としての射撃の勘を養うことだ。地形や環境が送るシグナルを読み取らねばならない。さあ、スコープごしに標的を見ろ。」
(上巻216ページ)

 等など、フィールド競技だけでなくターゲット競技においても気になることがいろいろあるものです。
 たまにはこんな本も読んではいかがですか。で、実話ではなく小説ではあるのですが、ヴァシリ・ザイツェフのその後を描いた小説がジェイムス・セイヤーの「地上50m/mの迎撃」(新潮文庫)です。これも続けて読むとおもしろいです。
 ということで、スパイナーモノはアーチャーにはいろいろ教えてくれるものがあります。弓が当たらないから鉄砲ができたので、学ぶ部分はたくさんあります。雑誌アーチェリーを読まないなら、ぜひ読んでみてください。雑誌アーチェリーより大分安く、学ぶ事も多いかもしれませんよ。。。。 (^^ゞ
 

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