ヤマハアーチェリー 完全撤退
日本のアーチェリーの原点を忘れないために。


■2月1日、管理人のとっても素敵なお誕生日でした。だからずっと言ってきたでしょう。そして今年がその年であり、X Dayがいつかを考えてたんですが、3月末よりはやくでした。。。業界の中だけの話じゃなく、もう静岡のテレビではニュースでも言っているようなのでいいでしょう。「ヤマハがアーチェリー部門から完全撤退表明!」。それが9月であろうが、いつであろうが発表したら終わりです。ヤマハを愛して、ヤマハの弓を作り、そこに籍を置き、ヤマハを使い続けた者として言わせてもらいます。ここ数年、常識と良識とプライドを失い、そして最後にはもっとも大切な夢までも失ってしまったヤマハが、最後まで判断を間違ったとしか言いようがありません。これこそが日本のアーチェリーへのトドメです。どうする気ですか? どうしましょう?! 皆さんの意見や思いはこちらへお願いします。本当に今こそ、草の根と手弁当と30年前の情熱と、そして夢を持つ時です。日本のアーチェリーを我々アーチャーひとりひとりの手で救うために。ちょっと語りませんか。将来と夢について。。。 
 


アーチェリー事業の撤退について


2002年2月1日

 当社は、この程、本年2月生産分をもってアーチェリー(洋弓)の生産を終了し、本年9月末日には販売活動を終了、同用品事業より撤退する事を決定致しました。
 当社は、1959年に日本で初めてのFRP製アーチェリーの生産開始以来、アーチェリー競技の普及・拡大に努めて参りました。その間、国内では国体、インターハイの正式種目として採用されるに至り、当社製品は世界の有力選手にも使用され、オリンピックに於いては5大会で6人の使用選手が金メダルを受賞するなどの実績を残して参りました。
 しかしながら、昨今の少子化の影響等によるアーチェリー需要減少を踏まえ、市場シェアとしては高い状況にありながらも、事業としての継続は採算上困難との判断から、この程、全社の事業戦略見直しの中で、アーチェリー事業からの撤退を決定したものです。


1.
決定内容
アーチェリー(洋弓)の生産及び販売から撤退
2. 撤退時期
2002年2月生産分にて生産を終了。
今シ−ズンの商品に関しては、例年の9月までに想定される販売数量(1,000セット)を用意。
販売店の注文に応じて順次出荷し、9月末日をもって事業より撤退の予定。
*事業撤退後もアフターサービスについては継続させて頂きます。
3. 現状の売上規模
<通期売上見込み> 1億2千万円 (2002年3月期)
4. 業績に与える影響
<損益面> 今回の事業撤退が業績に与える影響は極めて軽微です。
<人員面> 社内配置転換にて吸収。
 
投稿時間:02/02/01(Fri) 21:23
投稿者名:管理人
Eメイル:
URL :
タイトル:ヤマハがアーチェリー部門から完全撤退

 数年前から、この言葉だけは使いませんでしたが、言い続けてきたことが今日現実になりました。これは単に一ブランド、一メーカーがアーチェリーの世界から消えるのとはわけがちがいます。日本のアーチェリーを作り、育て、世界においてもその技術と指導力でアーチェリーをあるべき方向に牽引してきた偉大なる存在が消えたのです。日本の混乱だけでなく世界のアーチェリーも、道を見失いかねない大変な出来事です。
 アーチェリーを愛し、ヤマハを愛するひとりとして、耐え切れない出来事です。
 ちょっとこのことと、日本のアーチェリーと将来について話しませんか?! 今こそ草の根です。今こそアーチェリーを愛する者の力を合わせる時と思います。いかがですか?!!
投稿時間:02/02/02(Sat) 02:31
投稿者名:Katz
Eメイル:katz.y@usa.net
URL :
タイトル:ビジネスと割り切れば仕方ないのかも?

 16年の弓歴ですが、実はヤマハの弓は使ったことがありません。(ニシザワ→Hoyt→Sky) そういった意味では個人的な愛着が薄いのは事実ですが、撤退は残念です。
 しかし、ヤマハのような大企業で細々とアーチェリー道具を作っている以上、遅かれ早かれ「不採算部門の撤退」という経営判断は出たでしょう。利益を追求しなければならない株式会社としては当然の判断で、仕方が無いと思います。
 管理人さんのおっしゃる通り、「草の根」活動は今後重要です。例えば、ヤマハの弓は軽量であり、小柄な日本人に合わせた設計でした。今後は舶来品の弓を買わなければならないでしょうから(Nプロダクツはまだありますけど)、特に非力な女性が使いこなすには難しいでしょう。
 一般のアーチェリーショップは、ヤマハという選択肢が無くなると、アメリカ製のメチャクチャ重い弓をだれかれ構わず平然と推奨するでしょう。そこで、「この子は非力だから、こんな弓は使えない!」と言えるコーチや先輩が必要だと思います。
 また、十分にパワーのある男性でも、海外製のハンドルについているグリップに不満を持っている人はたくさんいます。グリップを自分で作るのは大変ですが(私は木を削って作りました)、パテなどを使って調整することは可能です。
 ヤマハの基本設計が100%正しかったとは言いませんが、少なくとも比較論としては、非力で小柄な日本人が使いやすい弓であったのは事実です。その選択肢が無くなった今、私たちアーチャー自身が色々考え、自分たちに合った弓や道具を選択せねばなりません。
 特に初心者にはこんなことは分かりませんので、経験者がちゃんと指導してあげることが大事です。
 それでは。
投稿時間:02/02/02(Sat) 04:33
投稿者名:archer
Eメイル:
URL :
タイトル:Re: ビジネスと割り切れば仕方ないのかも?

> 遅かれ早かれ「不採算部門の撤退」という経営判断は出たでしょう。
> 利益を追求しなければならない株式会社としては当然の判断で、仕方が無いと思います。

 そうなんです。そのとおりなんですが、元はと言えば当時のヤマハの社長 川上源一氏の趣味というか道楽から始まったアーチェリーです。とっくに撤退したヤマハのスキーもテニスもアーチェリーのあとにできたものでした。アメリカから持ち帰った一本の弓を元に、ピアノの木工技術を基礎として、「日本人が日本の弓を使って世界一になりたい」との思いか ら日本にアーチェリーを広めたのです。その第一は日本中をまわっての普及でした。アーチェリーのアの字もないところから始めたのです。だからこそ、日本にとって、世界にとって大切だったのです。日本のアーチェリーの原点でありルーツなのです。

> 例えば、ヤマハの弓は軽量であり、小柄な日本人に合わせた設計でした。
> ヤマハの基本設計が100%正しかったとは言いませんが、少なくとも比較論としては、非力で小柄な日本人が使いや すい弓であったのは事実です。
> その選択肢が無くなった今、私たちアーチャー自身が色々考え、自分たちに合った弓や道具を選択せねばなりません。

 だからこそ↑この思想が中心にあったのです。だからこそ日本人はオリンピックでも世界選手権でも二番まで登ることができたのです。そしてヤマハの弓は頂点をも極めたのです。
 普及、強化、すべてにおいてのヤマハの存在は重要であり、不可欠だったのです。。。。。
投稿時間:02/02/02(Sat) 12:58
投稿者名:たつ
Eメイル:GCH05466@nifty.com
URL :
タイトル:Re: ヤマハがアーチェリー部門から完全撤退

 亀井さん、こんにちは。
 私はこのニュースを今朝の新聞で知りました。
まだアーチェリーを始めたばかりの身ですが、ヤマハの弓が消えるというのは日本のアーチェリーにおいて多大な影響があるものと感じます。
 長い間ヤマハと一緒に取り組まれてきた亀井さんのご心境は知る由もありません。しかしながら海外の安い弓が簡単に手に入る昨今では、ヤマハの弓は価格が高く、イオラといえども初心者には手が出せなかったのも事実だと思います。そんなこともあって国内でもヤマハ離れが進んだのでしょう。ヤマハの弓具製造ラインは今後どうなっていくのでしょうか?
 できれば手を広げすぎることなく、本当に良いものを適正な価格でアーチャーに提供していく、アーチェリー工房のような形で生まれ変わることを期待して止みません。何れにしても一つの時代が終わりを告げてしまいました。
 さて、これから何をして行くべきでしょうか?
投稿時間:02/02/02(Sat) 15:00
投稿者名:archer
Eメイル:
URL :
タイトル:Re^2: ヤマハがアーチェリー部門から完全撤退

>ヤマハの弓が消えるというのは日本のアーチェリーにおいて多大な影響があるものと感じます。

 そうですよね。だからこそ、この機会にいろいろな方と意見を交わしたいと思うのです。

> 長い間ヤマハと一緒に取り組まれてきた亀井さんのご心境は知る由もあり
> ません。しかしながら海外の安い弓が簡単に手に入る昨今では、ヤマハの
> 弓は価格が高く、イオラといえども初心者には手が出せなかったのも事実
> だと思います。そんなこともあって国内でもヤマハ離れが進んだのでしょ
> う。ヤマハの弓具製造ラインは今後どうなっていくのでしょうか?

 昨日もこの話をある人としていたのですが、↑あぁそんな考えもあるのか、と思ったのですが、、、ヤマハの値段があったからこそ韓国製がこんな値段ですとショップでは説得できたのに・・・・という意見もありました。しかし、ヤマハを利用しようが、食い物にしようが、敵対しようが、どんな立場であったとしても、今回のこの事実は混乱を生み、誰にとっても決して良いとは言えないように思います。例え敵対する立場にある人であっても、このことが世界のアーチェリ ーに与える影響を考えれば、最後にはツケが回ってくるでしょう。

> できれば手を広げすぎることなく、本当に良いものを適正な価格でアーチ
> ャーに提供していく、アーチェリー工房のような形で生まれ変わることを
> 期待して止みません。何れにしても一つの時代が終わりを告げてしまいま
> した。

 ヤマハがテニスとスキーから撤退した時もそうですが、引く時はキッパリ引きます。それに、すでにアーチェリーの現場はすべて外注化されています。残す余地も残れる可能性もないでしょう。

>さて、これから何をして行くべきでしょうか?

 それをみんなで考えていかないと。。。
 ヤマハを使っているとか使っていないとかの問題ではなく、アーチェリーそのものに対する深刻な問題なのです。
投稿時間:02/02/03(Sun) 09:47
投稿者名:無印不良品
Eメイル:JZS00411@nifty.com
URL :
タイトル:なんとか、製品の供給だけでも・・・

 ショックですね。
 私自身は、ヤマハの弓を使ったことはないんですが。イオラのような軽量で扱いやすい弓がなくなるのは非常に痛いです。
 外注化されているのならば、西沢の後を受けたNプロダクツのように別会社として製造し続けることは出来ないのでしょ うか・・・。フォージドの製造ラインはお金が非常にかかるかもしれないですが、イオラなら・・・。リムはプロセレリ ムの供給でいいわけですし。
 今までマーケティングや広告に費やしていた費用はインターネットに移行することで圧縮可能だと思うんです。
ヤマハという会社名は無くなっても、高性能製品の灯を絶やしたくないです。
 雑誌や大会のスポンサーになっているヤマハがアーチェリーをやめてしまうということは、業界そのものにとっても大 打撃のはずです。全ア連はコスト削減などの対策を迫られるでしょう。
・・・メジャー市場のコンパウンドに力を注いで残って欲しかったなぁ・・・。
投稿時間:02/02/04(Mon) 10:10
投稿者名:archer
Eメイル:
URL :
タイトル:Re: なんとか、製品の供給だけでも・・・

> ショックですね。
> 私自身は、ヤマハの弓を使ったことはないんですが。イオラのような軽量で扱いやすい弓がなくなるのは非常に痛い です。
> 外注化されているのならば、西沢の後を受けたNプロダクツのように別会社として製造し続けることは出来ないので しょうか・・・。フォージドの製造ラインはお金が非常にかかるかもしれないですが、イオラなら・・・。リムはプロセ レリムの供給でいいわけですし。

 弓を作ると言うのは、莫大な設備投資なりの資金が必要です。ハンドルについて言うなら、特にダイキャスト(イオラな ど)はそうです。なぜなら、ダイキャストは安定した品質の製品を大量に生産するのに向いた手法であり、それが世界の マーケットの実情に合わなくなった結果として、NCという削り出しの方法に他のほとんどのメーカーが移行したわけで す。弓の品質や性能などトータルで考えれば、ゼッタイにNC(鍛造)よりダイキャスト(鋳造)が優れています。しかしこれは炉でマグネシューム合金を溶かして、型に流し込んで作るわけで、品質はいいのですがコストはすべて生産数量にかかってきます。だからこそプロセレリムもそのハンドル数量のために応援したかったのです(過去形ですが、これか らも作ります!)。
 ヤマハの撤退という結果に至った経緯で、あえて誤解を恐れずに言わせてもらえば。。。。NCというメーカー主導の流れに逆らうのが難しいのは百も承知の上で、本当にヤマハを必要としたなら、ハンドルの数量をある意味力を合わせて守 らなければならなかったのです。

> 今までマーケティングや広告に費やしていた費用はインターネットに移行することで圧縮可能だと思うんです。
> ヤマハという会社名は無くなっても、高性能製品の灯を絶やしたくないです。
> 雑誌や大会のスポンサーになっているヤマハがアーチェリーをやめてしまうということは、業界そのものにとっても 大打撃のはずです。全ア連はコスト削減などの対策を迫られるでしょう。

 ヤマハは道具だけを供給していたメーカーではありません。
 普及にも開発にも理想にも夢にも、貢献し続けてきたメーカーです。単に安いコストを背景に、ヤマハやHoytが多大のコストをかけて開発し切り拓いた製品やマーケットを、コピーすることだけで横取りするメーカーとはわけが違います。
 でもそのことを暗に言い続けてきたつもりですが、ひとりひとりのアーチャーが分らなかったのか、やはり受け入れられなかったのか、と言うことでしょう。だから、仮にヤマハの製品が残っても、そこに研究や開発や普及や夢と言ったものが付随しなければ意味がありません。だから失ったものは計り知れないのです。これから誰が、どのメーカーが例えば日本のマーケットの拡大や普及に尽力してくれるのでしょうか? もしシェアの取り合いといった、ここに至ったのと同じような目先の判断でシーズンに突入し、それに再び善意のアーチャーが踊らされるなら、、、、だから、ヤマハの撤退こそ言葉にしませんでしたが、 日本のアーチェリーが終わってしまうと言い続けてきたのです。
 今こそ、アーチャーの良識と情熱と夢が問われる時ではないでしょうか・・・。
投稿時間:02/02/05(Tue) 20:35
投稿者名:無印不良品
Eメイル:
URL :
タイトル:う〜ん・・・

> 弓を作ると言うのは、莫大な設備投資なりの資金が必要です。ハンドルについて言うなら、特にダイキャスト(イオラ など)はそうです。なぜなら、ダイキャストは安定した品質の製品を大量に生産するのに向いた手法であり、それが世界 のマーケットの実情に合わなくなった結果として、NCという削り出しの方法に他のほとんどのメーカーが移行したわけ です。
 そうですね。確かにNCなら町工場でも作れちゃいますから。

> ヤマハの撤退という結果に至った経緯で、あえて誤解を恐れずに言わせてもらえば。。。。NCというメーカー主導の 流れに逆らうのが難しいのは百も承知の上で、本当にヤマハを必要としたなら、ハンドルの数量をある意味力を合わせて 守らなければならなかったのです。

 私が弓を始めた時はちょうどNCハンドルが発売されたときでした。私が始めて手にした弓もレイディアン(NCハンド ル)でした。正直、当時のヤマハの弓には魅力がなかった。初心者にとっては、性能が云々というよりもヤマハの弓の色 というのは受け入れがたかったんです。変わった色が多かった。先輩には「余った塗料で塗っているからこんな色ばっか りなんだ」なんて言っていましたから・・・。
 それに対して、アルマイトカラーのNCハンドルは魅力的な色でした。だから受け入れられたんではないでしょうか?
 私は、ヤマハが日本のアーチェリーにどう貢献してきたかということはわかりません。実際はどうかわからないです が、ヤマハは「空回りしていた」と思います。
 それにしても・・・最終的なところでは「価格」ということがヤマハ離れを加速させたというのは事実でしょう。
 現在の市場規模から行って少量生産になるのはしかたがない。弓に限らずどこの業界でも大ロット生産=悪という世の 中ですから。
この状況なかで重要なのは草の根でしょうね。
 トップレベルの選手と同じ試合に出られるなんて、アーチェリーぐらいしかないと思うんです。だから、そういった場 を重要にすることでもっと盛りたてていくことができると思うのですが・・・。
投稿時間:02/02/05(Tue) 22:10
投稿者名:archer
Eメイル:
URL :
タイトル:Re: う〜ん・・・

> 私は、ヤマハが日本のアーチェリーにどう貢献してきたかということはわかりません。実際はどうかわからないです が、ヤマハは「空回りしていた」と思います。
> それにしても・・・最終的なところでは「価格」ということがヤマハ離れを加速させたというのは事実でしょう。
> 現在の市場規模から行って少量生産になるのはしかたがない。弓に限らずどこの業界でも大ロット生産=悪という世 の中ですから。
> この状況なかで重要なのは草の根でしょうね。

 確かに市場原理から言っても、ヤマハは価格も、製品も、品質も、含めてここ10年近く空振りしたのでしょう。しかし、その市場を無から作ったのもヤマハです。日本において。1960年代中頃、日本にはアーチェリーのアの字もな かったのです。そこに商売を考えずに、ヤマハは種を蒔きました。全国行脚し、弓を配り、講習会を実施し、、、、多分 今の各地の協会はすべてその時に生まれ、育ててもらったものです。確かに「商売抜き」というとおかしいかもしれません。いくら川上源一氏の道楽ではあっても、損はしない思いはあったでしょう。なぜなら彼の頭には「ヤマハ音楽教室」 のノウハウがあったことは事実です。市場を作れば、開拓すればいつかは花が咲くと思っていたのかもしれません。あるいは、ここまで採算を無視して、テニスもスキーも撤退したヤマハの中でアーチェリーを残してもらえたのは、得はしな くとも、この程度の経費で「ゴールドメダル獲得」というコピーを飾れるのは安いとの判断があったのも事実でしょう。 アーチェリーはヤマハ全体の広告宣伝費のほんの一部という考えもあったでしょう。しかし、何はともあれ、アーチャー も協会も連盟も、それに甘えすぎたのです。
 1984年ロサンゼルスオリンピックの前後、アメリカで「Buy American」という運動が起こったのを覚えていますか? ジャパンバッシングと同時に起こった現象でしたが、ともかくは車もテレビもアーチェリーもアメリカ製品を使って行こうと言う流れでした。その頃、品質や性能とは別の部分で世界のトップであったアメリカ選手は、あえてヤマハを使わずアメリカ製の弓や道具を使いました。いい、悪いはともかくとして。しかし、多分もうすぐアメリカのアー チェリーの世界でもこの運動が復活するでしょう。アメリカ人も日本人と同じように危機感を持っています。そして日本人以上のアーチェリーに対する誇りを、彼らは持っています。
 「日本人が日本の製品で、世界の頂点を目指す。」
 ヤマハが、川上源一氏が目指し始めた日本のアーチェリーの原点と、非力で体格の劣る日本人が世界の頂点を目指す方法 論を、今こそ考える時ではないでしょうか。
 先日、イタリアのことを書きました。1970年代、日本とイタリアは同じようにアメリカを、そして世界の頂点を目指 していました。そしてある時期、我々はイタリアより先に世界の頂点に近づきました。しかし、今イタリアは韓国を抑え世界のトップにいます。日本は彼らの足元にも及ばないのです。何が欠けていたのか。何が間違っていたのか。。。。
 考える時ですよね! どうですか。
投稿時間:02/02/07(Thu) 00:23
投稿者名:オッサンアーチャー
Eメイル:
URL :
タイトル:Re^2: う〜ん・・・

 これでアーチェリーが本当の「洋弓」になってしまうと言う人がいました。
 でも、日本では「Hoyt」も「Spigarelli」も「Easton」もダメってことなんでしょう。
 これは、日本の社会全体の問題のほんの一部なのかもしれませんね。もう、「ホンダ」や「トヨタ」や「松下」が出てこないように…
 でも草の根から頑張らないと、この国がどうなるのかって感じですよね。
     (話が漠としてしまってすいません)
投稿時間:02/02/07(Thu) 18:51
投稿者名:archer
Eメイル:
URL :
タイトル:Re^3: う〜ん・・・

> これでアーチェリーが本当の「洋弓」になってしまうと言う人がいました。
> でも、日本では「Hoyt」も「Spigarelli」も「Easton」もダメってことなんでしょう。
> これは、日本の社会全体の問題のほんの一部なのかもしれませんね。
> もう、「ホンダ」や「トヨタ」や「松下」が出てこないように…
> でも草の根から頑張らないと、この国がどうなるのかって感じですよね。
> (話が漠としてしまってすいません)

 40数年前、北は北海道から南は沖縄まで、ヤマハが日本全国にアーチェリーの種を蒔きました。そして水をやり、肥料を与えつづけ、今の日本のアーチェリーは出来たのです。我々が今所属する協会も、すべてこのときに作られたもので す。
 確かに、海外の安い製品に駆逐されたのも事実です。やることなすことが空回りしていたのも事実です。しかし近年、このような「商売」の部分だけが取り立たされて、普及や研究開発の地道な努力が見過ごされているのは関係者にとって不本意なことでしょう。一般のアーチャーには見えない部分でどれほどの費用と努力が普及活動やPR活動、そして研究費用につぎ込まれてきたことか。ヤマハカップもそうです。もともと全ア連と対立し、連盟の公認など受けなくとも、「日本一、世界一の理想の大会を行いなさい」の川上源一氏の一言で始まった大会です。すべて理想を目指し、どこからも制約を受けることなく作り上げてきたものでした。(後に全ア連と和解することで、今のようになってしまいましたが。)
そのように考えれば、今回のヤマハの撤退は単なるアーチェリー用品の一メーカーが消えたのではありません。これから先、誰がアーチェリーの普及のために資金を出すのですか。誰が普及活動を行うのですか。誰が理想を目指すのですか。 誰が強化の柱となるのですか。誰が間違いを正すというのでしょうか。誰が賛助会員を集めても集まらない全ア連を支えていくのでしょうか。。。。
 確かに製品を買うのはアーチャーであり、消費者に受け入れられなくなった製品に問題はあります。しかし悲しいかな、 製品を見る目、選ぶ知識を失ったアーチャーが増えてしまったのも事実です。日本のアーチェリーの現状から目をそらしていたのも事実でしょう。
40年前の「草の根」「手弁当」は、アーチェリーを広めたい、仲間を増やしたい、世界に行きたい、、、の情熱から発 したものでした。しかしこれも忘れてはならないのは、そんな日本のアーチェリーがピークを迎える1970年代後半においても競技人口は1万3,000人程度です。今は30年前と同じくらいの1万人を切るところまで落ち込んでいます。しかし、アーチェリーという競技は1万数千人の世界なのです。あの頃、アーチェリーは見るスポーツでない、絵に もならなければ音もないと嘆きました。しかし、オリンピックでここまでショー化され、マッチプレーが一般化した現在においてもアーチェリー人口は増えないのです。競技の特性に責任を押し付けるべきではありません。世界で勝てない。 値段が高い。練習場がない。指導者がいない。いろいろな原因はあります。いろいろな意見はあるでしょう。しかし商売だけではない、すべてのアーチェリーの部分にヤマハは尽力していたのです。それを忘れてはいけません。
 今度はそんなヤマハを失っての「草の根」であり「手弁当」です。今こそアーチャーひとりひとりの理想と情熱が問われる時なのかもしれません。
     (話が漠漠して、すいません。)
投稿時間:02/02/07(Thu) 17:13
投稿者名:なかきひろし
Eメイル:
URL :
タイトル:Re: ヤマハがアーチェリー部門から完全撤退

 この@-rchery.comでソフト紹介をさせていただいてるものです。
ホームページをつくりました。
http://www35.tok2.com/home/archery/inde.htm
 是非暇であるならみてください。アーチェリー関連ソフトウェアの公開を目的としてます。
 今回、スコアブックとして携帯(iアプリ)を使うソフトの公開をしました。
ヤマハがスコアブックをつくらなくなることでより「使える」ページとなることを期待しております。
 宜しくお願いします。
投稿時間:02/02/07(Thu) 18:58
投稿者名:管理人
Eメイル:
URL :
タイトル:Re^2: ヤマハがアーチェリー部門から完全撤退

> この@-rchery.comでソフト紹介をさせていただいてるものです。
> ホームページをつくりました。
> http://www35.tok2.com/home/archery/inde.htm
> 是非暇であるならみてください。
> アーチェリー関連ソフトウェアの公開を目的としてます。
> 今回、スコアブックとして携帯(iアプリ)を使うソフトの公開をしました。
> ヤマハがスコアブックをつくらなくなることでより「使える」ページとなることを期待しております。
> 宜しくお願いします。

 ありがとうございます。
 これからも、よろしくお願いします。
 で、これはこれでいいのですが、「ヤマハが弓を作らなくなって」この春、日本のアーチェリーはどうなるのでしょう か? 市場はどう動くのでしょうか?
 皆さんはどう思います?! どうします?! この新人勧誘、獲得の大切な時期を前にして。。。。 (-_-;)
ご意見を・・・・
 
■「ヤマハ撤退!」 から一週間。多くの皆さんにとっては衝撃的だったようですが、この ページの常連の皆さんには「ヤマハ撤退」こそ使いませんでしたが、ずっと話してきた日本 のアーチェリーの危機が何であったかはわかっていただけると思います。この言葉を使うこ と自体、なぜかまたいろんな圧力があったわけで、事情はご察しください。で、たくさんの皆 さんから、日々ご意見や思いをいただいています。掲示板にいただく以外に、直接メイルや 電話でお聞きするものもあります。アーチャーだけでなく、お店の人や、一緒にヤマハで弓 を作ってきた現場の連中やいろいろです。考えることはいっぱいあります。そこで、もう少し みんなで語り合いませんか? → Kam’s Board ←でお待ちしています。本当に今こ そ、草の根と手弁当と30年前の情熱と、そして夢を持つ時です。日本のアーチェリーを 我々アーチャーひとりひとりの手で救うために。。。。 今日もいつものことですが、突然思い ついたことがあります。もう少し皆さんのご意見を聞いてから、お話しようかと思っています。 本当に、ほんとうに危機ですよ。 
 
投稿時間:02/02/10(Sun) 22:09
投稿者名:なかきひろし
Eメイル:
URL :
タイトル:Re^3: ヤマハがアーチェリー部門から完全撤退

> > この@-rchery.comでソフト紹介をさせていただいてるものです。
> > ホームページをつくりました。
> > http://www35.tok2.com/home/archery/inde.htm
> > 是非暇であるならみてください。
> > アーチェリー関連ソフトウェアの公開を目的としてます。
> > 今回、スコアブックとして携帯(iアプリ)を使うソフトの公開をしました。
> > ヤマハがスコアブックをつくらなくなることでより「使える」ページとなることを期待しております。
> > 宜しくお願いします。
>
> ありがとうございます。
> これからも、よろしくお願いします。
> で、これはこれでいいのですが、「ヤマハが弓を作らなくなって」この春、日本のアーチェリーはどうなるのでしょう か? 市場はどう動くのでしょうか?
> 皆さんはどう思います?! どうします?! この新人勧誘、獲得の大切な時期を前にして。。。。 (-_-;)
> ご意見を・・・・

 ご返事ありがとうございます。
 ヤマハが弓を造ることをやめる発表をしたことによって市場はやはりヤマハ弓を敬遠することにはなると思います。大学 のクラブで3年間やるだけにしても途中での弓具の破損の保証に不安があるからです。
 ところで、私自身不安なのは「日本人にあった」弓がもはや手に入れ辛くなったことです。男子のほうは良いのですが、 日本人女子は何をこれから手にすればよいのでしょうか。
まず、軽いこととグリップが細いことを条件に絞ると、もはやホイットのエランとスピギャレリエクスプローラぐらいな もんで選択肢がきわめて少なく、物足りない気がするのは私だけでしょうか?
投稿時間:02/02/11(Mon) 21:04
投稿者名:archer
Eメイル:
URL :
タイトル:Re^4: ヤマハがアーチェリー部門から完全撤退

> ヤマハが弓を造ることをやめる発表をしたことによって市場はやはりヤマハ弓を敬遠することにはなると思います。大 学のクラブで3年間やるだけにしても途中での弓具の破損の保証に不安があるからです。
> ところで、私自身不安なのは「日本人にあった」弓がもはや手に入れ辛くなったことです。男子のほうは良いのです が、日本人女子は何をこれから手にすればよいのでしょうか。
> まず、軽いこととグリップが細いことを条件に絞ると、もはやホイットのエランとスピギャレリエクスプローラぐらい なもんで選択肢がきわめて少なく、物足りない気がするのは私だけでしょうか?

 「EX」というヤマハの名機をご存知でしょうか? このモデルが発表されたのは1982年の春。世界デビューは2月のラスベガスシュートでした。この弓でヤマハは完全にHoytを抜き去りました。YTSLUでやっと追いついたHoytを追い抜いたのです。それまで世界の頂点に君臨していたHoytが1977年に失ったタイトルだけでなく、性能と品質においても、初めて後塵を拝することになったのです。だからこそ、この後Hoytが発表した「Gold Med alist」はEXにそっくりであり、形だけのコピーがハンドルの曲がりまで生んでしまいました。ヤマハがすべてにおいて世界の頂点に立ったのはこの時です。
 そしてこの「EX」は多くの部分において僕がプロデュースしたものです。レストとクリッカーの位置を示すスケールも僕のアイデアであり、その後ツートーンハンドルの原型となったデコレーションステッカーも僕が作ったものです。そんな中で、接合方式だけは前のYTSL方式を継承したものの、もっとも大きな変化はグリップでした。「MRX」と呼ば れた、今のすべてのヤマハに標準装備されているそのグリップです。
 このグリップのコンセプトは、女子をも含めて日本人に使い易く、受け入れやすい形状を作ることでした。それまでのヤ マハのグリップが男子にはいいが、大きく女子には向かず、一般的ではなかったため、女子のヤマハシェアは男子以上に 低いものでした。そこで、僕自身あまり手が大きくないので、それまで自分用に特別に整形していたグリップ形状を元 に、図面に起こし製品化したのです。この時、初めてグリップにデザインも取り入れました。手のひらに当たらない面に逆アールをとり、ラインを入れてくれたのは今のヤマハデザインというセクションでした。そして、それは世界に受け入 れられ、今も多くのアーチャーに愛用されています。(^^ゞ もうひとつの製作秘話は、この「EX」は元々はベアボウの イメージスケッチだったのです。世界フィールドで日本人で唯一金メダルを獲得したベアボウ部門で、それに一層貢献しようと考えました。そして僕がヤマハデザインにエイミングし易い、直線的なデザインを依頼した結果出てきたのがこのイメージでした。直感的にターゲットでこそ使えると考え、TボーンやLボーンといったマグネシューム素材の持つ特性 を研究課が付加していって出来上がったのが、名機「EX」です。
 「日本人が日本の弓で世界の頂点に立つ」というコンセプトは、こういうことです。その最大のプロジェクトがヤマハ 「Citation」でした。知らない人の方が多いのでしょうが。。。
 今、手元に雑誌アーチェリーがあるのですが、その裏表紙のヤマハの広告コピーに「ヤマハの基本コンセプトである「最適質量の最適配置」と素材の持つ特性を生かした基本設計による約1.3kg(SR)のボディーが、いままで以上の安定性を生み出して、あなた技術をしっかり受け止めます。」とあります。これがヤマハが空回りして、もっとも大きな シェアを持つ女子にも受け入れられず、今回の事態に至った最大の原因なのです。夢を無くし、コンセプトを見誤ったのです。強度や耐久性を向上させるのに、太く重くしてそれを成し遂げるのは誰でもできることであり、簡単なことなのです。ヤマハがやらなけばならなかったのは、こんなAVALONより重い重さで、折れるAVALONを超えることでは なかったはずです。世界一軽量で、それでいて世界一の耐久性と性能を満たす弓こそがヤマハの夢であり、仕事であり、 ヤマハにしかできない川上源一氏が目指したものだったはずなのです。
 これからは、誰がどんな形でこの夢とコンセプトを引き継ぐのでしょうか。誰が普及と強化を支え、リードしてくれるのでしょうか。これは雑誌アーチェリーの広告収入が減ると言うような単純な問題では、決してないのですが。。。。だから、みんなで考えましょう。
 

     ヤマハ中期計画下方修正 最終年度 連結売上高500億円減

 ヤマハは1月23日、伊藤修二社長らが浜松市内で会見を開き、中期経営3カ年計画(2001年4月−04年3月)の下方修正を発表した。計画最終年度の連結売上高を当初予想より500億円少ない5600億円、経常利益は100億 円減の200億円とした。国内外の景気動向など事業環境の変化を受けて見直した。伊藤社長は「日米の楽器市場は、当 初考えていたより成長ペースがスローダウンした。現時点で低めに見積もった数値」と述べた。
 各事業別の目標売り上げは楽器が3050億円(当初予想より160億円減)、音響・情報機器などのAV・ITが1 185億円(90億円減)、住宅設備などのリビングが487億円(35億円減)、電子金属が475億円(90億円 減)、宿泊施設などのレクリエーションが220億円(10億円減)、自動車内装部品などその他が185億円(115 億円減)。
 計画の初年度は携帯電話の着信メロディ配信の市場が拡大し、半導体とコンテンツ(情報の内容)事業が見込みより伸 びた。一方、国内と米国の楽器市場の成長鈍化、パソコン周辺機器のCD−R/RWの価格競争激化など市況の悪化が影 響した。今後は音楽教室のシルバー層への拡大やホームシアターなど映像関連機器の強化、着メロの海外展開に注力す る。


     ヤマハ アーチェリー事業撤退 学校向け需要が減少

 ヤマハは2月分でアーチェリー(洋弓)の生産を終了、9月末で販売もやめてアーチェリー事業から撤退する。少子化 で主力の学校向けクラブ需要が減少傾向にあり、事業継続は採算困難と判断した。同社グループのリゾート施設「つま 恋」(掛川市)で開催しているアーチェリー大会「ヤマハカップ」も今年9月をもって打ち切る。
 同社は1959(昭和34)年に国内初の繊維強化プラスチック(FRP)製アーチェリーの生産を開始。オリンピック5大会で六個の金メダルを獲得したほか、FRPは現在のリビング事業のバスタブやヤマハ発動機のプールなどの材料 にも応用されている。
 国内のアーチェリー人口1万−1万3000人のうち50%強のトップシェアを占めているが、販売はじり貧傾向。1 992年の約4500セットをピークに1500セットにまで減少している。約1億2000万円の年間売り上げ(今年 3月期見込み)に対し、ここ数年は約2000万円の赤字が出ていた。
 中心となる高校・大学でのクラブ需要が少子化で減ったのが主な理由で、9月末で販売を終える。同社は5年前にテニ スを撤退、スキーを休止しており、スポーツ事業はゴルフ用品のみとなる。   ( 中日新聞inしずおか)
 
投稿時間:02/02/13(Wed) 20:50
投稿者名:無印不良品
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タイトル:横レスです

 横レスです。

 私の母校の状態は、逆にヤマハの弓が増えています。そのほとんどがイオラです。何よりも軽量であること、フォルムが 美しいからでしょう。
 まぁフォルムはともかく、ヤマハの弓は軽量でなければならなかったのでしょう。日本人のための弓だとしたら。
 軽量であるということは、逆にウェイトを増やすことが出来るというメリットを持っていたんですよね。このメリットを 強調すれば、海外でも受け入れられたのではないでしょうか?(価格が高すぎたという意見もあるかもしれませんが)
 広告では最近まで「軽量」としか書いていない。これだけ他のメーカーに比べて有利ですよ!というアピールがなかった のが残念ですね。
 もっともどういうわけか、アーチェリーの道具は重量の記載がない物が多いんですよね・・・ウェイトですら書いていな い(笑)
 海外のメーカーでは、ヤマハのコンセプトに近いショートハンドルの軽量ライザーというのがちらほら出てきているの に・・・。

 イオラのフォルムを思い浮かべて、ふと思ったのですが、我々は日本刀を失ったのかもしれません。
投稿時間:02/02/14(Thu) 08:42
投稿者名:archer
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タイトル:Re: 横レスです

> 私の母校の状態は、逆にヤマハの弓が増えています。そのほとんどがイオラです。何よりも軽量であること、フォルム が美しいからでしょう。
> まぁフォルムはともかく、ヤマハの弓は軽量でなければならなかったのでしょう。日本人のための弓だとしたら。

 そうなんです。結局ヤマハを支えていたのは鋳造のEollaであり、トドメのだめ押しをしたのが鍛造のForged 2というわけです。鋳造は数がこなせなければ品質的、性能的メリットがあってもコスト的メリットに反映してこないのです。だから鍛造でのコンセプトを誤ったと言っているのです。そして、軽量だけが性能ではないことも忘れてはならないでしょう。マグネシューム合金とダイキャストから生み出される性能は他にもあります。しかし、これもヤマハと共に消えるのでしょうか。。。

> 軽量であるということは、逆にウェイトを増やすことが出来るというメリットを持っていたんですよね。このメリット を強調すれば、海外でも受け入れられたのではないでしょうか?(価格が高すぎたという意見もあるかもしれませんが)
> 広告では最近まで「軽量」としか書いていない。これだけ他のメーカーに比べて有利ですよ!というアピールがなかっ たのが残念ですね。
> もっともどういうわけか、アーチェリーの道具は重量の記載がない物が多いんですよね・・・ウェイトですら書いてい ない(笑)
> 海外のメーカーでは、ヤマハのコンセプトに近いショートハンドルの軽量ライザーというのがちらほら出てきているの に・・・。

 ただし注意しなければならないのは、海外のショートハンドルが「本気」ではないことです。ヤマハと同じ24インチハンドルを基本とするSKY(これももうなくなりましたが)などは、24インチがショートではなくスタンダードとして設計 がなされています。ヤマハもそうです。しかし他の多くは25インチをスタンダードとして作って、後でそれを日本向け (?)に無理やり短くして、23インチのショートハンドルにしているものもあります。これは素人が見ても分かるほど 陳腐なデザイン(フォルム)です。そうなると、ハンドル自体の性能が低下するばかりか、リムの基本性能すら発揮され ないことになります。そんなことを思えば、ヤマハを失うのは軽いハンドルを失うことだけではないのですよ。

> イオラのフォルムを思い浮かべて、ふと思ったのですが、我々は日本刀を失ったのかもしれません。

 「日本人が日本の弓で、世界の頂点を目指す。」。なぜそうなのかということですね。この方法論の意味をよく考える必要があります。もう我々は世界選手権やオリンピックで、真っ先に最新の素材や道具を使うチャンスも失ったのです。23インチハンドルと同じように、お下がりで戦わなければなりません。
日本刀を失うかは、もう少し考えたいです。失いたくはないので。。。。
 
投稿時間:02/02/19(Tue) 07:27
投稿者名:archer
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タイトル:ヤマハ撤退の後、これからの日本アーチェリーを・・・

 先に「EX」やHoyt「GM」のことも書きましたが、実は現在のヤマハのハンドルとリムの接合方式は僕が考えたものです。
 1982年、EXによって追い込まれたHoytは、GMの接合部分にボックスを取り付ける「ポンド調整機能」を付加してきました。それに対抗して新たに考案されたのが、「ダブルアジャスタブル機能」を含めた現在のヤマハ方式です。これは1985年(?)の「α-EX」から搭載されます。もともとヤマハの方式は伊豆田さんが考案した「タックレスインサートハブ」と呼ばれる、ネジを使わないワンタッチの画期的システムがベースになっていますが、それに僕のアイデアを基に伊豆田さんや多くの研究課、そして現場の連中と試作とテストを繰り返して製品にしたのです。最初はネジを締め込むとリムの長さが変わってしまうなど、予想外の問題もありました。しかし、ともかくは弓の性能と機能をもっとも重視し、安定した構造が出来上がったのです。
 ある意味、ヤマハはこの方式に最後までこだわりました。それはそれで非常に重要で意味のあることです。それに対して、Hoytはその権利が今は亡きEarl HoytからEastonにわたってから、どのハンドルにどのリムでも取り付けられるオープンパテントによって現在の状況が生まれたのです。これは非常に難しい問題です。
 ただ、ヤマハから言わせれば2000年、ヤマハのハンドルにヤマハ以外のリムが取り付けられた初の出来事は、皆さんが思う以上に衝撃的(?)なことだったのです。考えたこと、なかったでしょう。しかしこれだけは思い付きではありませんでした。2月1日の現実を想定しながら、2000年よりもっと前から考え続けてきたことです。プロジェクトです。そしてヤマハともずっと話してきました。これも言っておきます。決して突然一方的に2000年の出来事があったのではありません。少なくとも「カメの好きなようにしろ。」の一言を受けてのGoでした。ヤマハはそうは思わないで しょうが、結果的にもハンドルの数を守ることこそが、ヤマハを守ることであったと信じます。
 そして、これがもっとも重要な問題ですが、ヤマハが「完全撤退」を発表した以上、何を言っても、何をしても、どう しようもないのです。ヤマハはもう弓を作らないのです。あと10日間で工場は閉鎖されます。ヤマハの誇りも、ヤマハの頭脳も、ヤマハのノウハウも、ヤマハの力も、ヤマハのシェアも、ヤマハの実績も、ヤマハの夢も終わりなのです。
これから、どうします? 日本の市場でもっとも多いシェアを誇る、ヤマハの弓をどうします? 日本のアーチェリー をどうします?? 新人勧誘を目前に控え、どうします? どう考えます?
 将来について、話しませんか。ご意見をお願いします。。。。

 http://www.a-rchery.com/bow22.htm
 http://www.a-rchery.com/bow13.htm
 http://www.a-rchery.com/bow20.htm
 http://www.a-rchery.com/bow29.htm
投稿時間:02/02/24(Sun) 18:05
投稿者名:へぼアーチャー
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タイトル:Re: ヤマハ撤退の後、これからの日本アーチェリーを・・・

 ほんとうに、これから日本のアーチェリーはどうなっていくんでしょうか? 心配です。
いくら韓国製が台頭してきたといっても、試合にいけばヤマハの弓がいっぱいあります。ヤマハが撤退した今、この弓は どうなるのでしょうか?
 プロセレクトではヤマハ用のリムも作っていますが、これからはどうなるのですか?
 心配です!
投稿時間:02/02/26(Tue) 08:29
投稿者名:archer
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タイトル:Re^2: ヤマハ撤退の後、これからの日本アーチェリーを・・・

 正直な話、アメリカ国内においても韓国製品の問題には頭を痛めているようです。「何が悪いの?」、とお思いでしょう。確かにすべての韓国製品、すべての輸入業者に問題があるわけではありません。しかし例えば今回のヤマハ撤退後の日本のアーチェリーを考えると分かり易いかもしれませんが、これで「普及」という底辺の部分の支えが完全に抜け落ち たことになります。個々のアーチャーや地方協会の草の根や手弁当はともかくとして、システムや資金の部分で大きな後ろ盾を失ってしまいました。また「強化」においても、最先端の技術や道具を真っ先に供給してくれる、あるいは新たな研究開発とそのフィードバックを行ってくれるメーカーも失いました。そこに安い(?これが大きな疑問なのですが)道具だけが、ビジネスとして進入してくる。このことにHoytも危惧しています。とは言え、アメリカ最大のマーケットはコンパウンドでありハンティングであって、この現実は日本を直撃したわけです。たしかにいろいろな要素は絡み合ってはいます。しかし自由競争といえばそれまでなのですが、それなら「普及」と「強化」の車輪の両輪を担ってくれるパ トロンなりシステムを構築し直すさなければ、今はともかくとして数年後には食い荒らされた残骸だけになってしまいます。
 「日本人が日本の弓で、世界の頂点を目指す」という原点には、多くの大事なことが含まれていると思っています。
 では、現実問題として日本の市場には多くのヤマハがあります。いくら韓国製品やアメリカ製品が増えたと言っても、試合場を見渡せば半分はヤマハです。女子の高校生の試合なら80%を超えてヤマハでしょう。これをどうするのか、どうなるのかという問題はあります。しかしこれも大事な部分なのですが、いくらヤマハが理由を語ろうが説明しようが、「撤退」の前にはすべてが意味を持たないのです。2005年までアフターサービスをすると約束しても、あと数日で工場は閉鎖され、ヤマハが弓を作ることはもうないのです。9月のヤマハカップを最後の花道としても、もう普及や強 化に一円の金も出てきません。そして何よりも、市場の何千本かのヤマハの弓に対し、修理を受けることはあってもヤマハからの働きかけはありません。この現実を我々もヤマハも知る必要があります。シェアが減ろうが、世界で勝てなかろうが、作ってさえいれば何とでもできます。何とでも言えます。しかし、撤退は敗北です。
 プロセレクトがヤマハのハンドルに取り付けられるリムを製造しようと考えたのは、このプロジェクトが始まるより以前のことです。伊豆田さんの退職よりも前です。弓を作るということは、アーチャーにとっての究極ではないにしても、ひとつの夢です。「日本人が日本の弓で、世界の頂点を目指す。この日本のアーチェリーの原点に立って、アーチェリーを愛するすべての人に贈ります。」と、そのリムに書くために作ったのかもしれません。ヤマハの撤退は予想していまし た。だから警告も助言も協力もしてきたつもりです。その中で、この最悪の事態のためにノウハウも蓄えてきました。
 もう少し時間をください。考えることが結構あります。あと二日でヤマハの弓は生産終了。皆さんのご意見もお聞かせく ださい。
 今シーズン、皆さんはどうしますか? どうあればいいとお思いですか???
投稿時間:02/03/02(Sat) 08:46
投稿者名:へぼアーチャー
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タイトル:Re^3: ヤマハ撤退の後、これからの日本アーチェリーを・・・

> もう少し時間をください。考えることが結構あります。あと二日でヤマハの弓は生産終了。皆さんのご意見もお聞かせください。
> 今シーズン、皆さんはどうしますか? どうあればいいとお思いですか???

 ありがとうございます。
 よくわかります。
 そこでぜひ、プロセレクトでヤマハ用のリムを作りつづけてください。日本の多くのアーチャーの ためにも。お願いします。応援しています。
投稿時間:02/03/08(Fri) 19:07
投稿者名:管理人
Eメイル:
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タイトル:Coming Soon !

 ありがとうございます。
 最近、本当に時間がなくて、直接いただくメイルにも即答できない状態があったりします。とは言え、好きでやってることなんで。。。(^^ゞ ご理解ください。で、思うのですが、やっぱり今こそ必要なのは、アーチャーひとりひとりの草の根であり、情熱です。それをいかに積み上げて、結集していくかです。夢をどうやって与えるかです。
 ところで、アーチャーの夢に、自分で弓を作るというものがあるでしょう。自分にあった、あるいは自分だけの弓。あるいは理想の弓を。幸せなことに、それは作らせてもらいました。だからこそ次に、そこにメッセージを添えたかったのです。そして次にできることなら、それを贈りたいと思っています。もうすぐお見せできるでしょう。
 話は変わりますが、数日前に読み終えたスティーブン・キングの「小説作法」という本があります。(アーティストハウス¥1600) その最後にこんな一節がありました。同様のことは、これまでにも講習会などではお話してきたことですが、ベストセラー作家の言葉の方が説得力があるかもしれないので、引用させていただきます。ありがとうございます。これからも、よろしくお願いします! 頑張りましょう!!

 
そこで、この機会にあらためて、私の偽らざる態度を明かそうと思う。何かにつけて、人は私に質問する。遠回しな言い方もあれば、あからさまな聞き方もあるが、つまるところ、質問の趣旨はただ一つ「金のために書くのか?」というこ とである。
 否、と答えるほかない。私はこれまでに一度として金のために書いたことはない。なるほど、小説が売れて多額の印税が入ってくることは事実だが、これが金になると思いながら言葉を並べるのとはわけが違う。友人に親切をほどこす心で 仕事をしたことはある。俗に丸太転がしと言って、政治の世界では馴れ合いを意味するが、それとても、つまりは相身互いで、情は人のためならずだろう。ただ、私は見返りを期待しない。作品を書くのは私自身の満足のためである。印税収入があるおかげで、家のローンも払えたし、子供たちも大学へ上げることもできた。だが、それは本質をそれた話である。私はただ感興の赴くままに書くだけだ。純粋に、書くことが楽しいから私は書く。楽しみですることは長続きする。

 

川上源一氏、2002年5月25日午後5時30分、老衰のため浜松市の病院で死去。90歳。これでヤマハのアーチェリーすべてが終わりました。心からお悔やみを申し上げます。ありがとうございました。

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