スライディングウエイトシステム (Sliding Weight System)

 
 1969年のカタログに載っている「TFC」です。「New TFC」とあるように、1967年の世界選手権ではすでにこれより古いデザインのTFCが世界のトップに立っています。しかし今思えば、当時あったヤマハを除くすべてのメーカーはどれも、「TFC」と「Accraサイト」のコピーから出発したのです。当然そこには日本の技術力と勤勉さがあったのですが、それを考えれば日本もパックリマンだったわけです。ただ違うのは、当時のヤジロベーの発明でもわかるように、日本人のアーチェリーに対する情熱と知恵と技術がその後コピーではない日本のオリジナルへと業界のみならず、アーチェリーそのものを進歩、発展させたことです。金儲けだけではないのです。
 
 
 そこで今作ろうとしているのが、これです。↑ ラフスケッチ以前の落書きですが、どんなモノかは分かると思います。掲示板への書き込みにもあるのですが、昔これも日本人の発明にあるのですが、ジャイロと呼ばれるVバーが前後に可動するシステムがありました。発想としては同じなのですが、それをコンパクトかつシンプルに考えてみました。発射時の振動吸収と同時に、弓の的方向への動きは阻害せずに自然な動きを与えようというものです。どちらかといえば同様のウエイトがあるコンパウンド向きかもしれないのですが、実際には最近のアーチを持つお世辞にもバランスが良いとは言えない弓などにおいては、リカーブ、コンパウンドを問わず使ってみてもいいのかなと思います。取り付け位置もいろいろ考えられます。
 
 
 しかし実際には、使う人にいろいろ考えてもらいたいと思って、あえてこの形状から始めました。例えば、掲示板にあるように昔、水銀内蔵のウエイトがありました。今では温度計も体温計も銀色ではなくなったのでその扱いは知りませんが、そんな水銀であったり、あるいは砂や液体を入れられるように中を出せる金属ケースにしました。又、スライドウエイトも重さや形状、素材を工夫したり、バネの強さも変えられればと考えました。ともかくはアーチャー自身がいろいろ試せる、ベーシックなパーツと考えてもらえれば幸いです。
 
 とりあえずは、アイデアのヒントです。大きさを含めて、皆さんのアイデアやご希望などいただければ嬉しいです。
 

   オマケ (^^ゞ
 本当の名機、Hoytプロメダリストの5PMです。個人的には1969年に1年だけ4PMを使い、その後この5PMを何本使ったことでしょうか。
 レッド(ブビンガ)、ブラック(ローズウッド)、ホワイト(メイプル)の3つのカラー(木の種類)がありました。1972年にテイクダウンのTD1が登場するまで、木に樹脂を注入した形は同じで紫っぽい6PMもあったのですが、このモデルが懐かしいアーチャーが多いのではありませんか。
 $160のブラックホイットで、当時¥10万くらいでしたか。
 
 アメリカ製品には珍しく、堅牢より精度を優先したようなラックANDピニオン方式で一世を風靡したアクラサイトです。ヴィトンではありませんが、このコピーから始まったメーカーもたくさんありました。
 このサイトをホイットなんかに付けてインターハイなんかにいくと、どれほど嫌われたことか。。。 (^^ゞ
 みんなヤマハの旧デラとかいうモデルに電池をビニールテープで巻き付けてスタビライザーにしたりしていた時代です。
 

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