2009年12月12日

○○○アーチェリー連盟
理事長並びに理事会構成員 各位

                                              ○○○アーチェリー連盟
                                                    理事 亀井 孝


今回のこの不愉快な問題について、12月10日付けにて事務局宛に「理事会召集について」をお送りしました。
非常に重要かつ緊急性を要する事案だけに、早急な開催をお願いしたく失礼とは存じましたが、このような文書をお送りさせていただきます。これは○○○連の上部組織でもある全日本アーチェリー連盟としても看過できない重要な事案であると同時に、全国1万3千人のアーチャーから、良識を問われている問題でもあります。

別紙内容による「理事会召集について」をご覧ください。
今回のこの「○○○○(○○○○所属)の試合における点数の虚偽報告・記載問題に関して」について、添付の内容からでも次のような重要な点が計り知れます。(なお、上記文面で指摘の大会のみが錯誤であることを、12月11日には事務局に連絡済です。内容についての訂正はありません。)

1)本人が少なくともここ2回の競技会において、不正を行ったことを認めている。
2)不正が行われたことを、複数の理事を含む連盟員が確認している。
3)10年近く以前から、同様の不正が行われていたことが推測できる。
4)○○の競技会のみならず、全日本クラスの試合においても同様の不正が行われていたことが推測できる。
5)注意を受けながらも、同じように不正を繰り返してきた。
6)本人は単なる競技者という立場だけではなく、指導者であり最も重要なことは教育者としての立場を持つことである。

まず今回、この問題が表面化した最大の理由は、1)2)にあるように、本人および理事がこの事実を認めている点です。これは3)4)とも関連しますが、10年来この不正に関する○○へのうわさや注意は繰り返されてきており、現に前○○理事長にも進言した経緯もあります。
しかしながらこの種の不正は、痴漢行為同様に「卑劣」であり、確信犯として行われます。昔、残念なことではありますが○○と同じように全日本クラスの選手が同じ不正を働いたことがありました。その指摘を受けた全ア連は「証拠がない」とそれ以上に取り合いませんでした。そこで全日本選手権において望遠レンズを使い、全回の的面を写し最終のスコアカードと照合し、数10点の不正を全ア連に証明しました。しかし、全ア連はルール上「矢を抜き去った後」の異議は受付けませんでした。そこで、得点が読み上げれれる毎にそれを正すと、「言い間違いでした」との繰り返しです。
今回の不正もそれ同様の確信犯でこれまでは、ある意味黙認されてきました。しかし今回は違います。「証拠云々」を言われる方もいらっしゃるでしょうが、今回確認された理事を含め、そして痴漢行為同様に「確信」するかどうかが重要な点です。文面にもあるように、必要であれば○○○連盟員のみならず全国で同様の確信を持つアーチャーが証言をしてくれるでしょう。
そしてこれは、○○のみの問題ではありません。全日本の公式大会、そして公式記録や表彰その他にも関係することです。もちろんこれによって不利益を被った多くのアーチャーが存在することも忘れてはなりません。

アーチェリー競技において、得点読み上げに関しての明文化されているルールはありません。これはアーチャーがアスリートであり不正を行わないであろうという性善説ち立つ、素晴らしいルールであり競技です。しかし今回のことは、それを根底から覆す、卑劣で卑怯で許すことのできない行為です。アーチェリー競技そのものを否定することになります。
少し話は違いますが、先日も○○で不幸な出来事がありました。それを受けて全国、そして○○でも安全対策やルール、マナーの教育、指導が行われています。このことは非常に重要であり、なんら否定するものではありません。今後も徹底して行われるべきものです。しかし、再度考えていただきたいのです。「事故」と「事件」は違います。昨年4月の神戸での事故、そして11月の○○の事故を受けて、安全が叫ばれています。しかし本当に事故なのでしょうか? このことを先日も理事のある方とお話したところ、「証拠がない」「知っているのはその二人だけ」という言葉をお聞きしました。それであれば、昨年の○○の事故(?)を考える時に、アーチェリーをしたことがある人間なら4〜5m四方の狭い部室の中で、どのような想像力を働かせれば頭に矢が10センチ刺さる状況があり得るのでしょうか? 現実問題として、この矢を放った少年は今年10月に「保護観察処分」の決定が下っています。放す瞬間はそのつもりがなく、過失だったかもしれません。しかし、引いている状態の時は事故ではありません。
適切な例えではないかもしれませんが、あえて分かり易い例を挙げます。包丁を持ってコンビニ強盗に行く人間に、いくら包丁は人に向けてはいけません、刃に触れば切れますよ、と指導しても意味がないのです。それは料理をする人への注意です。それでも誤って手を切った時には「事故」です。コンビニ強盗は「事件」です。強盗には包丁の安全指導をするのではなく、強盗にならない指導、教育が必要なのであって、それでも強盗をしそうなら包丁が手に入らないシステム作りが必要なのです。「事故」と「事件」を一緒にするべきではなく、これらはまったく違うものです。
ご存知でない方も多いでしょうが、今年1月にアーチャーでもあり、指導者でもあり、そして以前はS県の○○○長でもあったS氏が強制わいせつの罪で逮捕されました。5月に2年6ヶ月の実刑判決が出て、今は刑務所の中です。彼は全ア連に関係する仕事もしていたのでご存知の方もいるでしょうが、実はその数年前にS県事務局の金銭不正問題で、S県協会を除名になっていました。しかし、全ア連はそのことに毅然とした態度、行動はとりませんでした。今回の不幸な出来事を事故と言い続けるのと同じようにです。
もしその時に「除名」なり「永久追放」の措置をとっていれば、アーチェリーの名を借りた卑劣で不幸な事件に○○○○は巻き込まれなかったかもしれません。昨年の○○の事故に毅然とした対応と指導者への人間教育の徹底をしていれば、高校生は死なないですんだかもしれません。
「事故」と「事件」が異なるように、「ミス」「言い間違い」と「作為」「確信犯」はまったく違うのです。
5)について、長くアーチェリーをやっていれば、勘違いでの言い間違いやミスが皆無とは言いません。しかし今回の○○の行為は、決してミスではなく確信犯であり、何度もいろいろな場面で注意を受けてきながらも繰り返される、許されざる不正行為なのです。

そして今回もっとも重要な点は、6)です。
彼は今回も意識的に我々社会人と射つのでなく、○○○と一緒のあえて違う部門で射つように準備をしています。それはこれまでにも何度も行われてきたことです。そして結果、この不正は彼が○○する○○○○○○を利用して行われました。まだ的中位置を確認しない素人同然の○○○相手に、そして自分の○○○がそのような不正を働くなどとは疑いもしない純真な○○○に、不正な虚偽の点数を書き込ませたのです。○○○として恥ずべき行為であり、断固許されるものではないのです。

よって、理事として、一アーチャーとして今回、そしてこれまでに彼が行ってきた不正に対し、次ぎの処罰を求めます。

1.今年度の○○○○の登録を即刻停止する。
2.来年度から向こう2年間、○○○○での登録を認めない。
3.今年度すべての彼の競技結果、成績の抹消。
4.全日本、○○、○○○への処分報告。

先日、○○○連の○○○○の記念すべき会が行われました。しかし残念なことに、今回の不祥事は○○○○年の歴史の中で、最大の汚点です。○○の連盟を作り、○○○間育ててこられたあの多くの方の顔に泥を塗る行為です。
今、○○が毅然として態度、対応を取らなければ、同じ過ちがまた繰り返されてしまします。純真な○○○に不正のやり方を教えるのではなく、アスリートとして、人間としてのあり方を○○○のみならず、○○○連の一員として指導していかなければなりません。○○をここまで甘やかして来た我々にも責任があります。
だからこそ、毅然とした、厳正なる対応を今こそ望みます。


(追記)
「事件」を「事故」と言っている限り、「事件」はなくなりません。同じ事件が、また起こります。
現にアーチェリー界では、不幸がなくなるどころか繰り返されています。しかし、「事故」と言うことで安心する多くの人がいることも現実です。「事故」ならそれは偶発的な出来事であり、ミスであり、過失であり、仕方がないことだからです。だから安全教育さえしっかり行っていれば、責任は起こした本人のものだからです。

「罪を憎んで、人を憎まず」と言われた方がいるようですが、それは事故の時です。今回の不愉快な問題は事故ではなく、確信犯が用意周到に繰り返してきた事件です。事故でもなければ、間違いでもミスでも、今回だけでもありません。アーチェリー界における犯罪です。そして事件の被害者は、いつも善良な善意のアーチャーたちです。
弓を人に向けて引かないことは、安全教育以前の問題です。例えば、ハサミを渡す時に刃を相手に向けないことと同じように、子どもが親から自然に学ぶ範疇です。アーチェリー競技が素晴らしいのは、そんな常識をルールに文書化しなくとも、万人が常識として学び取り、楽しみ、愛好していることです。それと同じように、アーチェリー競技の根底にあるもうひとつの常識は、自分の点数を正しく申告する常識です。この当たり前のことこそが競技の原点であり、万人が平等にアーチェリーを楽しめる最低限のルールであり、マナーです。
今回、アーチャーとして、絶対に許せない最大のもうひとつの理由は、彼が○○○だからです。今、正さなければ同じ事件がこれからも繰り返されるだけでなく、それを見てきた善意のアーチャーや○○○が同じ過ちを「事故」ではなく「事件」として繰り返すかもしれないのです。そして素晴らしいアーチェリー競技に幻滅することです。
今回の最大の被害者は、彼の不正の手助けをさせられたアーチェリーに夢を持つ○○○たちです。そんな被害者をこれ以上増やすべきではありません。(2009/12/16)

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