注意しなければならないのは、クションプランジャーが生まれる前でも、矢はすべてうまく
きれいに飛ばなかったのではない事実です。正しい技術とスパインの合った矢が選択されていれば何の問題もありませんでした。現にクションプランジャーなしの世界最高記録は1972年ミュンヘンオリンピックのジョン・ウイリアムスの1268点です。それにこの記録はダクロンストリングとアルミアローによるものです。 |
ここで重要な点は、適切なスパインが選択されるなら、基本的にはクションプランジャーは不要だということです。しかし残念なことに、適切な最適とも呼べるスパインの選択がすべてのアーチャーに与えられていないのも事実です。そこで、そのようなアーチャーには、クションプランジャーによるスパインの「微」調整が必要なのです。そのため、これには限度があり、矢はあくまで最適ではないにしても、適切なスパイン選択が大前提です。 |
逆にいえば最適な矢が与えられれば、クションプランジャーはガチガチの動かない状態であっても矢はきれいに飛ぶはずです。そして、適切な矢を持っているならクションプランジャーの調節(チューニング)は極端に硬いところからはじめ、徐々に柔らかくしていくべきでしょう。その結果、もし指でチップを押さえて簡単に動くような極端に柔らかいセッティングになったのであれば、リリースの時のほんの小さなバラツキでも簡単に的面に反映してしまうでしょう。そんな場合は、矢のスパイン(サイズ)自体の変更を考えた方が良いでしょう。 |