しかし、現実問題としてリカーブボウの世界では短い矢がメリットを生み出すことは少ないでしょう。 |
まず、重量においてはカーボンアローの出現で多少の長さの違いは、重量の違いに反映されることはなくなりました。例えば昔アルミアロー最後の頃、世界大会やオリンピックにおいても強風の試合では距離の異なる長距離はともかくとして、男女とも同じ距離の50mでは女子の選手が男子を上回る状況が生まれていました。それもとてつもない強風において、とてつもない高得点です。理由はカーボンアローのない状況で、軽く細いアルミアローが現在のカーボンアローと同じ条件を作り出した結果です。しかし、それも昔の話です。 |
では、次に考えられるメリットは何でしょう。あるとすれば、スパイン調整のためです。しかし、この場合はレストの位置(矢の乗る位置)ではなく、クッションプランジャーのチップ位置自体が手前になければ意味がありません。しかし、その場合でも結果的にはストリングハイト位置からレストまでの距離が極端に短くなります。レストを25ミリ手前に動かすことは、ノックがノッキングポイントから離れてレストを通過するまでの距離が、ストリングハイトを1インチ下げたのと同じ結果になります。 |
これはカーボンアローのアーチャーズパラドックスからの復元ストロークからみて、よほど適切なスパインの矢と安定したシューティングテクニックを持たないとレストでのトラブルが的中精度に大きく影響するのは必至です。(コンパウンドにおいてはこの問題は道具によって解消することが可能です) |