「レストアップ」と呼ばれる、アーチャー特有の病気があります。 |
この病気にかかったこともなく、かかりそうもない人は読む必要はありません。また、もしかかってもその原因が明らかに、初心者における技術的な問題(例えばフックを握って、大きく力が掛かっているというような)とわかっている場合も読まないでください。読んで欲しいのは、ある程度の技術を持ちながら「なぜかわからないけれど、突然たまに」レストアップして、とんでもなく外してしまうというアーチャーです。 |
これまでそんなアーチャー(自分もそんな時期が何シーズンに1回くらい訪れます)を何度も介抱して助けて、ちょうどつい先日も二人のアーチャーから治りましたとの知らせをもらったので、あえて書いておきます。そうです、こういうことが「ノウハウ」ということなのですが、実際にそれを経験しない人にはあまり意味がありません。ともかく病気の人だけ読んで試してみてください。ひょっとしたら効くかもしれません。簡単なことです。ノウハウとはそんなものです。 |
弓のチューニングで、レストをウインドウに貼る(取り付ける)時に、その上下位置を「シャフトの中心線がプランジャーチップの中心にくるように」(右図)と言われます。それはそれで正解です。間違っていません。ただし、実際の力の掛かり方として、それが多少ずれたとしてもまったく矢飛びやパラドックスに影響は及ぼさないということです。プランジャーチップの中心を外しても、ちゃんとプランジャーはプランジャーとしての役目を果たし、矢も同じように飛びます。 |
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この前提に立って、もしレストアップの病気にかかったアーチャーは、騙されたと思ってシャフトの位置をプランジャーチップの中心より少し下げるようにレストを貼ってみてください↓。バイターのプランジャーチップの直径は4.5ミリですが、たとえ1ミリ中心から下がっても問題はありません。レストアップして0点を射つより遥かにいいはずです。 |
それに併せて、ノックの上側のノッキングポイントを取って「下側1個のノッキングポイント」にするのと、クリッカーのテンションが強そうなら曲げ直して弱くするか、薄い(例えば0.2ミリ厚くらい)クリッカーブレードを使ってみてください。
これで治らなければ、技術的問題です。矢が浮く(レストアップ)のは、あなたが超能力の持ち主でないなら「中指の力」でしかありません。お忘れなく! |
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ノウハウです。経験則なので、理論的に聞かれると答えずらいのですが、、、、シャフトの直径が大きくなろうが、小さくなろうが、シャフトとプランジャーチップが接する場所はいつも「点」です。にもかかわらず、外観の問題でしょう。カーボンアローになりシャフトが細くなるのに併せて、チップの大きさ(直径)はどんどん小さくなってきました。
この部分で起こっている目に見えない動きは、アーチャーズパラドックス以上に、そしてその前段階として複雑です。この時点でシャフトは下に押されても、位置としてはレストのツメで止まります。しかしカーボンになった軽い矢は、アルミアロー以上に簡単に跳ね返されて浮き上がります。しかしプランジャーを押しながら上に上がる限界は、プランジャーチップの端までです。この距離が短すぎるのです。
矢は軽く浮き易く、それでいて「点」に変わりはないのに、それを受ける「面」は知らない間に極端に小さくなりました。多分これが突然に起こる、レストアップの大きな原因のひとつです。36分の1であっても、0点は避けるべきです。大きいプランジャーチップに替えることができないなら、だまされたと思って、試してみてください。幸運を祈ります。 |