目の焦点
これは集中力や目の持つ生理学的機能とも関係する大切な問題ですが、あなたはエイミングのに目の焦点をどこに合わせていますか。ゴールドですか、それともサイトピンですか?
人間が何も意識しないでいる時、目の焦点は「無限大」に合わされています。本を読んだり、近くの物を見ていると目が疲れるのは、毛様体小帯という目の筋肉が緊張し、そこに疲労が生まれるためです。無限大を見ている時はこの筋肉が弛緩しているわけです。
このことから考えても、エイミングという作業を目に強いる時は、できるだけ遠くの物に焦点を合わせることが自然であり、正しい方法です。基本的にエイミングはゴールド(的面)に目の焦点合わせ見つめるべきです。
しかし、あえてこの大原則に従わないで好結果を導きだせる時があります。アーチャーがエイミングという動作に神経質になりすぎている時などです。サイトピンの動きや位置が気になり過ぎる場合などではリングサイトのメリットにも共通する点ですが、例えばアーチャーが意識してサイトピン側(近く)に焦点を合わせることで、逆にターゲットがぼやけてピンのズレが気にならないということがあります。調子の悪い時やエイミングから起こるトラブル(狙い込みすぎや、早気など)を避けたい時には有効なテクニックです。エイミングにはテクニックはないのです。すべてはこの単純な動作から起こる、心の問題です。
ところで最近目にする、ファイバー素材を使ったサイトピンがあります。これは元々コンパウンドボウのレンズ付きスコープの照準点を見易くするために使われだしたものを、リカーブボウに転用したものですが、本当に有効な道具なのでしょうか。
確かに、意識的に目の焦点をピン側に持ってくるためや、フィールドコースなどの暗い場所でのシューティングには適しているかもしれませんが、通常の使用では逆にゴールドが見え難くなりピンの位置が認識し難くなる場合があります。最近は何種類かの大きさがあるようですが、ピンとゴールドの大きさの比率も考えて素材の太さ(サイトピンとしてのドットとなる部分)を選んだ方が良いでしょう。
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