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これはヤマハが公表しているデータの一部ですが、高密度ポリエチレンが芳香アラミドよりアーチェリーのストリングとして優れている(適している)ことは分かるはずです。 |
すでにヤマハはテクミロン製ストリングの製造をやめてしまいましたが、現在ではそれ以外にも何種類もの高密度ポリエチレン製の製品が販売されるようになり、それぞれの長所が謳われています。よって現状でアーチャーは、基本的に高密度ポリエチレン内でストリングを選択すると言ってよいでしょう。 |
では、どの高密度ポリエチレンストリングが良いかですが、これは値段と色などを含めてアーチャーの好みで決めるしかありません。しかし注意したいことが2つあります。 |
ひとつは「矢速」について、「同じ太さ」のストリングで比較しなければならない点です。同じ本数のストリングであっても元の原糸の太さが違えば比較にはなりません。原糸の太さは、デニールという単位(基準)で表わされています。1デニールとは9000mの繊維の重さが1グラムのものを言いますが、実際にはワックスか付いていたり作り方にもよるのでデータ上の太さではなく、ノックをつがえた時の太さなどを考慮しながら比較検討した方が良いでしょう。細い(軽い)ストリングが太い(重い)ストリングより速く返るのは当たり前のことです。 |
もうひとつは、「温度や湿度に対するストリングハイトの変化」です。確かに耐熱性において高密度ポリエチレンの融点が高いことや、吸水率がケブラーの2〜4%に対して、高密度ポリエチレンがゼロ(0%)であることは他の宣伝データでも示されています。それはそれで正しいことでしょう。しかし、実際のアーチェリーというアウトドアでの使用においては、もっと現実的な対応が求められます。 |