|
1) 弓の基本性能からストリングハイトを考える時、それは使用する弓の長さによってある程度の幅(許容範囲)が決められます。最近の弓は一般的には9インチ(約23.5cm)前後で使用されますが、これは「
f -x 曲線
」を元に弓のメーカーが設計段階で設定しているもので、インドア競技のような特別な状況下を除いては必然的に自分の弓の長さと標準的なストリングハイトが決まってきます。しかし、メーカーが推奨するストリングハイトの幅はあくまで一般的な値であり、それを超えたからといってリムが折損したりするというものではありません。 |
|
2) 弓の長さが決まり使用する矢も決まっているなら、後は一般に行われるアーチャーの「チューニング」と呼ばれる作業です。例えばこの中には「ベアシャフトチューニング」なども含まれるのですが、一般的にはアーチャーの経験と感を頼りにした矢の飛び方と的面上でのグルーピングの状況から判断されることが多いでしょう。 |
しかし、これらのチューニングは 1)の常識的な範囲を考えれば標準的な位置から動かせるのは特別なセッティングをしない限りは1インチ強(3cm程度)です。そこでアーチャーは許容範囲の中で矢に与えるエネルギーを調整します。 |
|
3) このシューティング感覚を意識するアーチャーは少なく、またその感覚を理解できるのはあるレベル以上のアーチャーということにもなりますが、実際の使用では非常に大きな意味を持ってきます。 |
例えばアーチャーが「エイミング時の安定感」や「リリースのし易さ」等に意識を集中するなら、1/2インチの変更がこれらの感覚に影響を及ぼしていることが分るでしょう。しかし、そんなチューニングが許されるのも矢がきれいに飛んでいる前提があってこそであり、矢の選択自体(スパインの選定)に無理があれば 1)2)を優先させるしかありません。 |
|