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EASTONがこの製品の図面上の寸法(基準値)をどこに設定し、公差(許容差)をどう設定しているのかは不明です。しかし結果として、この製品の公差(=最大値−最小値)は「75950」でシャフト側「0.017ミリ」ノック側「0.020ミリ」、「70182」ではシャフト側「0.018ミリ」ノック側「0.013ミリ」です。 |
この数値がEASTONの狙い通りのものか(加工図面に対して、この寸法値が範囲内か範囲外か)は分かりませんが、作る側の専門家の意見では「寸法公差として考えた場合、この数値は決して悪くない数値です。NC機械の初動寸法値と安定寸法値の差は±0.02くらいはありますから。うちのポイントは±0.01として製作しています。」というものでした。 |
ということで、通常これらの製品には「コンマゼロ2」(0.020ミリ)程度のバラツキが存在するのは普通です。ただし、相手がある場合(はめあい公差)やより以上の精度を求められる部分についてはこの限りではもちろんありません。例えば「±0.005ミリ」で製品を作ることもできますが、作る側にすると削るというより砥石で研ぐレベルの精度管理であり、当然コストは跳ね上がります。それが妥当な要求かは、また別の話です。 |
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ちょっと寸法の横の「重さ」を見てください。今回、重さについては「グレイン」の精密秤がなかったので、小数点以下を切り捨てた数値になっていますが、お分かりのように寸法誤差と重さの誤差は一致するとは限っていません。 |
1グレインは「0.06479891グラム」です。 |
Grainは穀物からきた単位で、1グレインは麦1粒ほどの重さになります。カタログで見ると、このノックピンは8グレイン、ピンノックは2グレイン。Gノックは7グレイン、ダイヤモンドベインは一番小さいサイズで1枚3グレイン程度です。そこに1グレインの公差(誤差)を認めるか認めないかはアーチャーの勝手です。完璧を求めることも必要です。しかし、5グレインの違いもわからず、10グレインでも的面で許容できる射ち方のアーチャーはいっぱいいます。それに1グレインや2グレインは製品の公差だけでなく、接着剤の量だけでも変わる範囲です。完璧を求めるのもいいのですが、そのくらいに射ち方でも完璧を求めてもらいたいものです。射ち方にも公差があるのです。あなたの許容差はどれくらいですか。 |
ちなみに、1円玉=1グラム=約15グレイン ですぅ。 |