「アルミ矢」のポイント交換

 わざわざページに書くほどのことでもないのですが、、、また冬がやってきて、インドアのシーズンになると毎年物置からインドア用の鳥羽根アルミ矢を持ち出してきます。そこで今年もいつもの矢を出して18mを練習しようかと思ったところ、長いのです。アウトドアでちょっと射ち方を変えて、以前よりクリッカーを前に出していたのですが、同じ位置だとハンドルのウインドウより前にクリッカーが行ってしまいます。個人的にクリッカープレートなる道具は嫌いで、クリッカーはウインドウ内で鳴るのが適切かつ好きなので、今年は2212の矢を1センチほどカットすることにしました。
 そのため付いているポイントを一旦抜いて、シャフトをカットして、ポイントを再度固定する、それだけのことです。
 矢の作り方はこれまでに何度も書いているので、カーボン矢でもアルミ矢でも基本的には同じことなのですが、唯一アルミ矢で違うことを紹介しているのがポイントを固定するのに使う接着剤です。今回もポイントを抜くまで、前回何で固定していたか忘れていたのですが、抜いてみるといつもどおり「G17」(ゴム系接着剤)でポイントを接着していました。
 たぶん多くのアーチャーやショップの方は「ホットメルト」(マツヤニ系接着剤)で接着しているはずです。そこであえてゴム系接着剤を使う理由は以前にも書いたとおりですが、今回ポイントを付け直してみてやっぱりいいんです「G17」が、、、日本人は「G17」だぜ! と言いたくて、これを書きます。
 40数年前、日本ではショップも個人もほとんどがこの接着剤を使っていました。その理由は今も状況は同じなのですが、ホームセンターに行ってもマツヤニ系の接着剤はほとんど見当たりません。それに対してゴム系の接着剤はG17だけでなく、各メーカーから必ず販売され店頭に並んでいます。逆に海外に行けば、これとは逆の状況です。そのため海外ではマツヤニ系を紹介し勧めるのですが、、、アルミ矢でしか(アルミコアのカーボンシャフトなら使えるかもしれませんが)使用できませんが、ゴム系にはカーボン矢でも見習うべき大きな特徴があります。
 その前にポイントを抜く時に使う道具ですが、これも一般的には「プライヤー」が使われます。アルミ矢、カーボン矢にかかわらずそれで用は足るのですが、「ニッパー」もなかなかの道具です。ただし今回のようにポイントに線(溝)が入っている場合だけです。その中でもアルミ矢や大口径シャフトには特にお勧めです。ポイントの溝をニッパーで挟めば(掛ければ)、プライヤーで全体を挟む以上に傷つけることなく簡単に抜くことができます。
 では、高温になり過ぎないように「アルコールランプ」を使って、シャフトに指を添えて温度を注意しながら、ポイント部分だけに炎を当てて加熱します。ニッパーで溝を挟みながら引っ張るとポイントは簡単に出てきます。この時も温度を測ったわけではありませんが、マツヤニ系よりゴム系の方が低温、あるいは同じくらいの温度で抜くことができます。
 そしてシャフトの先端部分をシャフトカッターで切り落とし、カット面は内外側ともにサンドペーパーでバリ取りをします。そしてそこに再度ポイントを挿入するわけです。この時そこまできれいにしなくてもいいと言えばいいのですが、ポイントとシャフト内部の接着面をきれいにします(するとします)。抜いたポイントやシャフト内部には接着剤のカズが少し残っているからです。この時マツヤニ系だとこれを落とすのに加熱の必要があり、結構手間です。ところがゴム系だと、アルコールかシンナーを付けた布で拭けば、接着剤は簡単きれいに落とせます。
 あとはポイントを取り付けるだけで、方法はこれまでに書いたとおりです。が、これはカーボン矢では使えませんが、アルミ矢にゴム系接着剤を勧める理由がここにあります。それは一切加熱することなくポイントを付けられるからです。ポイントの根元に少しG17を付けて、ゆっくり回転させながら入れていきます。ここで加熱していない(熱くない)のとゆっくり時間をかけられることが、ゴム系接着剤の最大のアドバンテージです。
 マツヤニ系しか使わないアーチャーは加熱したポイントを一気にシャフトに押し込むだけで気づいていないでしょうが、ポイントの回転(取り付け)位置によってより良いポイントの先端位置があるのです。手の上で矢を回転させるとブレが分かります。そんな時少しポイントを回転させて位置を変えると、ブレが消えることがあります。そこまで神経質でなければいいのですが(シャフトが大きく曲がっていたりの精度上の問題は解決できませんが)、そんなチェックがゴム系接着剤ではゆっくり時間を掛けて行えます。自分の納得がいくポイントの位置が決まってから、最後までポイントを押し込んでできあがりです。後ははみ出した接着剤を拭き取るのも簡単で、接着力はマツヤニ系接着剤と変わりません。
 ということで、今回は「ニッパー」と「ゴム系接着剤」の紹介でした。

copyright (c) 2013 @‐rchery.com  All Rights Reserved.
I love Archery