ところで、皆さんは弓の性能を分かりますか? 射ってみて、違いが分かりますか? |
残念なことに経験を積んだり、高得点を出せるからといってその性能を実感できるとは限りません。そこには当てることとは別の素質が必要です。では、そんな素質を持ち合わせないアーチャーはどうすればいいかといえば、やはり実績や多くの情報、あるいは試行錯誤から判断して自分に合った弓を選ぶしかありません。しかし、正直なことを言えば、カーボンアローが登場してからは昔ほどに弓の性能を云々しなくなったのも事実です。矢が飛んでくれるために、弓を考えることが少なくなったのです。 |
とはいえ、弓には性能も個性もあります。当たる弓もあれば、当たらない弓もあるし、使い易い弓も、扱い難い弓もあります。自分で弓を作ることができないからこそ、ちょっと考えてみましょう。自分にとっての最善、最良のパートナーのことを。 |
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2002年2月1日、ヤマハがアーチェリー部門からの撤退を発表。9月末、撤退。ヤマハがスキーから撤退した時も、テニスから撤退した時も知っています。そしてそこで働いていた人間として、企業の論理もヤマハのやり方もよく知っています。だからこそ誰を恨むのでもありません。だからこそ、ひとつだけヤマハを許せないことがあります。それは日本のアーチェリーの原点を語り、Citation
と川上杯でアーチェリーの夢を目指し、それらを製品とアーチャーに還元し牽引してきたヤマハが、「UDガラスプリプレグ」「中芯幅削り器」「真空パック」「プレス機」「金型」を売り渡したことです。事情はわかります。しかし川上源一氏がもっとも嫌った相手に。それはライバルや目標とする相手ではありません。もっとも節操のない相手に、我々が築いてきたものを節操なく売り渡したことが許せないのです。そこに「誇り」と「哲学」もあわせて売ったのか、とっくになくしてしまったから撤退があったのか。 |
だから言います。「たい焼き製法」は完成していません。そしてたぶん節操のない企業に完成させることはできないでしょう。それはこの製法が「サンドイッチ製法」を越える可能性と同時に、元々越えられない運命を持つ製法だからかもしれません。例えば重さ。例えば硬さ。最後のパワーリカーブが克服するには時間がなかったこれらの問題を解決することは、ヤマハでなければ不可能であり、ヤマハに完成させて欲しかった技術でした。 |