先にも書きましたが、EASTONに勝とうなどとはこれっぽっちも思っていません。では、どうしたい? と尋ねられれば、例えば最近のアーチャーには分かりづらいのですが、、、まわりを見渡してみて、「何でこれで当たるん??!」という選手が多くいます。また逆に「なんでこんなにうまく射つのにあたらへんの?!!」という選手も同じくらいの数います。それでもついつい当たる選手に目が行くのが常で、そんな選手は「X10」や「ACE」といったとんでもなく高価な矢を使っているわけで、素人は高価な矢は当たると錯覚します。しかし、冷静に見れば地面に刺さるX10やACEも普通に見ることができ、試合全体なら外れている矢の数の方が当たっている矢よりはるかに多いでしょう。 |
そんななかで「何であれで当たるん??!」vs「なんであれがあたらへんの?!!」の違いの大きな理由(実はほとんどといっても過言ではないのですが)に、スパインが合っているかいないかがあります。キレイに飛ぶか飛ばないかも含め、当たる飛びをするかそうでないかです。これは値段やブランドの違いではなく、自分の射ち方や弓に合った硬さの矢かどうかの違いです。 |
スパインが合えば安い矢でも当たるし、合わなければ高い矢でも外れます。高い矢だから当たるし、安い矢だから外れるのではありません。アルミコアシャフトが良くて、オールカーボンが良くないということでも決してありません。しかし高価な矢を使って当たらないアーチャーは、それが自分の技術のせいだとあきらめてしまいます。それだけではない、目に見えないところに原因があっても、矢のせいにしようとはしません。だからこそ「なんで当たらへんの??」と思うアーチャーが近年多いのです。 |
では自分に合った矢をどうして探すか。それには「経験則」を含めた見極める能力が要ります。しかし見分けるのはアルミアローの時より今のカーボンアローの方が難しくなっています。矢速が速く見難いだけではなく、目に見えない部分でカーボンは非常にシビアな動きをするからです。そのため試行錯誤を含め「授業料」も多く掛かります。とはいっても、素人や庶民が1ダース数万円もする矢を何ダースも買って射ち比べるのは簡単ではありません。 |
だからこそひとつでも多くの「選択肢」を、より試しやすいカタチで提供したいのです。選べる状況、射ち比べられる状態が今の世の中には必要です。 |
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少し前フリが長くなりましたが、Victoryとしてはコンパウンドそしてリカーブでも使われ、日本記録や数々のタイトルをすでに獲得している「VAP」があります。これはEASTONの「ACE」とほぼ同じ太さで、ノックなども共通して使うことができるオールカーボンアローです。曲がり精度は「±0.001」とACE以上の競技用アローです。 |
しかし、今回日本のメーカー「Victory」として新しく作ろうとしている矢は、「コンパウンド競技」に特化した矢です。名前を「Comp204」(仮称)としましょう。まだ名称もデザインも正式には決まっていません。↓ |
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ここ数年コンパウンドアーチャーの使う矢が少し変わってきました。最大の理由がルール変更です。今コンパウンドはリカーブの70mに対し、たった「50m」という非常に短い距離だけで得点を競うようになりました。それも機械式の弓とリリーサーを使い「60ポンド」もの高ポンドを使用しての条件においてです。 |
この条件下で1点を争う試合をするとなると、矢の太さが問題になってきます。インドア競技同様に太い矢でオンラインを稼いで1点でも多く得点した方が有利だという考えです。これは木立に囲まれて風の影響を受けにくく、最長60mしかないフィールド競技においても同じことがいえます。矢を細くして風に流されないようにしなくても、ある程度の太さと重さでも60ポンドで短距離なら流れないという判断です。その結果、多く世界のコンパウンドアーチャーが太い矢に回帰しだしています。そして日本においても、すでに「V-Force」を使うコンパウンドアーチャーが現れています。とはいっても、すべてのコンパウンドアーチャーが60ポンドを使えるわけでなく、アーチャーの技術的な問題もあります。 |
そこで「Comp204」の最大の特徴は太さです。競技アローとして最も一般的なEASTON「ACE」やVictory「VAP」が外径「5.5ミリ」。そして最近使われだしたVictory「V-Force」が「7.5ミリ」に対して、「Comp204」は「6.5ミリ」と中間の太さになっています。ちなみに「Comp204」の「204」とはアメリカでよく使われる内径を表す表記です。Comp204=0.204インチ、VAP=0.166インチ、V-Force=0.245インチがシャフトの内径です。 |
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1インチあたりの重さ「GPI」は(スパイン600相当)、VAP「5.5グレイン」ACE「6.1グレイン」X10「7.0グレイン」、V-Force「6.7グレイン」に対し、Comp204は「6.4グレイン」と細くでありながら重さも有することで断面荷重を増大させ、より風に打ち勝つ力を強いものとしようと考えました。風に強く、矢速も速く、弾道も低く、そしてオンラインにタッチしやすい矢です。もちろん曲がり精度「±0.001」インチ、重さのバラツキ「±0.5」グレインです。 |
またシャフト表面は定評の「ICE加工」で、特殊セラミックコーティングを施すことで他社にない滑らかさを実現しています。耐摩耗性に優れ、畳やバットの汚れも付きにくいシャフトに仕上がっています。 |
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シャフト同様に重要なのがポイントです。専用ポイントをコンパウンド用に新潟県燕市で製作に掛かっています。精度、品質はもちろんですが、フルレングスで「180グレイン」から「20グレイン刻み」で最短「80グレイン」のブレイクオフタイプを予定しています。 |
ノックピンはすでにできあがっています。一般的なピンノックをそのまま使うことができます。 |
最後にサイズ(スパイン)ですが、より多くのアーチャーにご使用いただきたいので、300/350/400/500/600/700/800を現在検討中です。 |
いかがでしょうか。今しばらく、お待ちください。 |