ノッキングポイントの付け方と余談

 ノッキングポイントに使う材料にも、いろいろあります。コンパウンドではノッキングポイント用の金属リングを、専用のプライヤーで挟んで付けるのが一般的ですが、リカーブの場合はタブが傷む(傷つく)ので備品の弓を除けば一般的ではありません。リカーブの場合は、布テープもありますが、最も一般的なのはやはり「糸」でしょう。
 糸は昔は裁縫箱にある木綿糸が一般的だったのですが、最近は古いストリング(原糸)を使うことが多くなりました。この場合はストリングの1本の原糸を半分かそれより細い状態にほぐしたものを使います。繊維としても非常に強く(切れないし、伸びません)、簡単に手に入るのでもっとも簡単、一般的です。
 が、久しぶりにもっといいものを見つけたので、紹介します。実は最近は一般的な素材なのですが、昔20年位前は海外に行った時にドラッグストアで買って帰らないと手に入らない、ちょっとマニアックな自慢の一品でした。それが「デンタルフロス」です。そう、あの歯の歯垢を取る糸です。今ではどこのスーパーやコンビにでも売っています。太さも適当で、伸びない切れない、そして何よりもカッター付きの専用のケースに入っていて、アローケースに入れていても汚れずかさばらず、最適の商品です。
 が、昔外国で買う時にはあえてワックスの付いていない商品を探して買ったのですが、なぜか最近国内で普通に売っているのはほとんどが「ワックスタイプ」です。歯の掃除にはこの方がいいからでしょうが。これでもいいといえばいいのですが、ストリングをほぐしたときも同じですが、ワックスが付いていると巻きやすいのですが、特に「瞬間接着剤」で固定する時などは糸自体に接着剤がしみこみにくいため固定が今一の時があります。
 そこで今回、あまり売っていない「アンワックス」のデンタルフロスを手に入れたので、ノッキングポイントの付け方を含め、ワンポイントアドバイスです。
 
 付け方はデンタルフロスに限らず、同じです。印を付けた位置に巻いていけばいいだけです。
 糸はほぐしたストリング同様平べったくなるので、ノックがゴソゴソの時はノッキングポイントの間(ノックが挟まる部分)に巻いてもOKです。糸も強いので切れてくることがありません。
 ただしこの時注意するのが、巻く方向。サービング同様にリリースの方向で絞まるように巻きます。逆に巻くと、緩みやすくなります。ちょっと余談ですが、最近黒いサービング糸を使うアーチャーが多いようですが、サービングが黒だと汚れは目立ちませんが、最初の巻く位置の印が見えない(黒のペン以外ならいいのでしょうが)のと、印に対してノッキングポイントがずれたりしてきた時には発見しにくいという難点があります。また、サービング自体の緩みやずれの発見が遅れます。できればサービングは原糸とは違う色で、印の付けやすい色がいいでしょう。
 後は結んで瞬間接着剤を垂らして、端を切ればできあがりです。瞬間接着剤は不要にサービング糸の中まで浸み込まないように注意しましょう。別に瞬間接着剤でなくても、ゴム系の接着剤や、応急ならフレッチタイトでもかまいません。そんな時、ワックスが付いていないと、なお接着がしっかりできます。
 ということで、取り付けはそんなに難しいことではないのですが、付ける位置(ノッキングポイントの高さ)と使用中の移動などには注意を払うようにしましょう。デンタルフロス、なかなかいいですよ。ノッキングポイントだけでなく、キッサーボタンやコンパウンドのピープの固定や補修にも最適ですし、なにより試合での弁当後の歯の掃除もできますから。。。

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