「X10」と「ピンポイント」

 例えば、、、どちらのポイントが好きですか?
 使うなら、どちらのポイントを使いますか?
 
 では、この2つでは、どちらですか?
 
 それを選んだ理由は何ですか?
 カタチですか? 性能ですか? それとも使い勝手ですか??
 実はこれらすべては、EASTON「X10」用(プロツアーにも共通で使えます)のポイントです。それも先端部分の長さはすべて同じです。
 ただし、皆さんが今使うことができるのは、一番右のEASTON純正の「市販品」のポイントと右から2番目の「PS10ポイント」だけです。それ以外は、すべて個人的に作った「試作品」の一部です。
 ということで、もし最初に左の市販品以外を選んだアーチャーは、理由はともかく悲しいかな希望してもこれらのポイントを使うことはできません。
 これは非常に分かりやすい例です。それしかないという「選択肢のない」状況は、多くの選択肢の中から多くの人間が多くの試行錯誤の結果としてそれを残したのであれば、それは結構なことです。しかし、選択肢の与えられない状況が先にある場合、良いか悪いか(一般的な評価ではなく、自分にそれが合っているか、合っていないか)も分からず、限られたものを仕方なく、無理矢理使わされるのと同じことです。それしかないのですから。これはシャフトでも弓でも同じことが言えます。
 
 では最初の質問に戻って、ポイントを選ぶ理由(基準)はなんですか?
 よく「純正」だから、「同じメーカー」だからという理由があります。ところが、先に言っておきますが今回試作をして分かったのですが、EASTONのポイントはこれらの試作品に比べて重さに大きなバラツキがありました。そのバラツキを「誤差の範囲」とするか「性能(精度)のばらつき」とするかは、使う人の技能と考え方次第ですが、純正だから精度が高い、間違いがないというのは正しくないようです。これに比べ、世界に誇れる日本の燕市で作ったポイントは、純正や○○製とは比べものにならないほどの高精度、高品質であったというのが現実です。
 そしてもうひとつ。「価格」ですが、これは点数(的中精度)には代えられないものですから、除外しましょう。当るならいくらでも金は出すと、当るかどうかも分からない「高い」製品をよろこんで買うアーチャーがたくさんいるのですから。
 これらはさて置き、ではそれ以外にどんな理由があるでしょうか。ポイントのカタチに「性能」なんかあるの? と、思うアーチャーもいるでしょう。あります。ただし、それが先の重さのバラツキ同様に分からない、あるいは技能が伴わず的面には反映されないアーチャーがほとんどであることも現実です。高価な道具と同じように、世界チャンピオンが使っている道具だから、当ると思うのは勝手ですが、当るかどうか、当っているかどうかも分からないのが正直なところではありませんか。自己満足と安心と納得を買うならいいのですが。(すいません)
 個人的には、「性能」があると思いますが、、、ここではこれも置いておきましょう。
 
 そうなると最後は「好み」と「カッコよさ」になりそうですが、、、インドア用として「ピンポイント」が登場して根付いているのですが、なぜアウトドア用で作らないのか?
 そのひとつの理由が「重さ」でした。最近は特にコンパウンドアーチャーを中心にこれまでより重いポイントを使う傾向にあり、最大で「120グレイン」あるいはそれ以上の重いポイントを使いたい場合があります。(軽くで使うなら、ブレイクオフなので軸を折ればいいだけです。) それを前提に今回「VAP・ACE用」と「X10用」を作ってみて分かったことがあります。作るまで気づかなかったのですが、「VAP・ACE用」はすでに市販品として、そして選択肢として皆さんに提供していてお分かりのとおりですが、「X10用」はACEよりシャフトの外径が細く、中の穴も小さいのです。
 そのため、ACE用は先端が「砲弾型」でも「ピンポイント型」でも、ほぼ同じ長さで同じ重さが確保できるのですが、X10用は砲弾型をそぎ落としてピン型にすると、重さを削られて同じ総重量を確保できません。ポイント先端長さが同じという条件を守るなら、シャフト内に入る軸部分を長くするしか方法がありません。(タングステンなどの素材を使うことはここでは考えません。12本2万円を超えるポイントがあるのはご存知でしょう。) すると、重さが増えると同時に重心位置がポイント側から離れて「ボトムヘビー」の状態になってしまいます。軸が長いことでスパインが硬くなるとは個人的には思いませんが、「トップヘビー」(FOCを大きくすること)は重いポイントを使う最大の目的です。そのため、これは守りたい条件です。ところがそうはいきません。
 では、どうしたらいいか。素材を変えず、できるだけ安く。先端部分の長さは市販品と同じ。先端形状は尖った「ピン」形状。という条件の中で、最大120グレイン以上を確保するにはどうしたらいいか? 極端に頭でっかちになることは避けたいところです。
 
 ということで、ちょっとひらめいたアイデアがあったので、再度試作中です。このつづきは、今しばらくお待ちください。。。皆さんなら、どうしますか?

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