うんざりオフセット

 いやぁー迂闊でした。個人的に使っていなかったこともあるのですが、一昨日まで知りませんでした。こんないい加減なことがまたまたまかり通っていたとは。。。とはいえ、真実は知りません。ただこれについて周りの使っている人やショップに聞いても、誰も答えられませんでした。もし納得のいく答えをご存知の方がありましたら、お教えください。
 ここ数年というより、ここずぅーっっと○国製は特に評価にも値しないのですが、今回は(も)うんざり続きの「Hoyt」の話です。
 こんないい加減なおきて破りの道具を作ったり(予想通り2年は持ちませんでした)、たぶんこちらも消えていくでしょうがメーカーとしてのプライドを捨てた道具(発想)で花火だけ上げてユーザーを愚弄するHoytですが、、、こんないい加減な道具より前に、こんなわけも分からないものが当たり前のように売られていたとは、知りませんでした。
 最近の高価なHoytのハンドルをお使いの皆さん。グリップを取り外したことくらいはあると思いますが、中にこんなわけも分からない「板切れ」がハンドルの左側に入っているのに気づいたはずです。ほんとに板っきれです。
 これが何なのか、答えられたら教えて欲しいのです。仮にカッコ良く「調整板」と呼んでおきます。何を調整するかというと、グリップあるいはハンドルの厚さをこの板で調整します。Hoytは「Avalon」を最後に、今でも最新といってもいい「GMX」からこの調整板を使っています。その後に出た「Formula」や「Prodigy」もそうです。
 昔のHoytより今のHoytのモデルの方が、グリップをスナップオンするハンドル部分の厚さが薄いのです。というか、グリップの溝の幅が広いため、ハンドルにグリップを付けると左右がゴトゴトで固定できません。そのために厚さを合わす意味でこの調整板をグリップとハンドルの間に挟ませています。
 ここで最初の素朴な疑問。なぜAvalonの後、ハンドルのグリップ部分の厚さを変えたのか?
 これは「軽量化」という安易な説明で納得が得られるかもしれません。グリップ部分のハンドル厚さをを薄くしています。「約2.4ミリ」細く(調整板の厚さ)、今のハンドルのグリップ部は「13ミリ」です。ここを薄くすることは、ハンドルの耐久性(耐久性を言う時、「折れる」と思われる方が多いでしょうが、実際には「曲がる」も大きな問題なのです。)の心配はありますが、それでもあえて重さを軽くしたかったのなら、それはそれです。しかしここだけなら微々たる重さです。
 そこでもうひとつの大きな疑問です。なぜハンドルの幅とグリップの溝の幅を合わせなかったのか? なぜ調整板を入れたのか?
 新旧のハンドルでグリップの互換性を持たせる必要がなかったことは明らかです。新しいハンドル用に新しいグリップを作れば、すべて解決のはずです。現に今は新しいグリップで展開しています。
 となると。設計段階で寸法を間違えて作ってしまった。だから後で板を入れてごまかした。これが一番納得のいきそうな答えですが、そうでもなさそうです。
 この疑問に答えるのが、これまで同じチンケな発想をセットアップポジションで行ってきたHoytらしい答えがあります。「Hoytはプランジャーも前後上下だけでなく、ピボットポイントも左右に動かせまるのです!」。どうです、このセールストーク。素人を騙しやすい安易な発想。そうなのです。今のHoytはピボットポイントを弓の中心線だけでなく、左右にも動かせるのです。凄いでしょう。
 それが何になるのでしょうか?これはプランジャーの位置を弓の中心線から外す以上に、はるかに良くない現実です。もしこれがHoytの狙った目的であり発想なら、その理由とメリットを知りたいものです。
 ところがここで最大の疑問が出てきます。Hoytはグリップを左右に動かせるようにする前に、ハンドル自体のセンターをずらしているのです。設計上の中心点ともいえる左右の中心位置を右に動かしています。調整板は右ハンドルの場合グリップの左側に挟むことで、グリップの中心(ピボットポイント)がハンドルの中心と一致します。これは理解も納得もできません。設計者がこの的中精度に影響を及ぼし、強度に最も影響する重要な部分をハンドルセンターから外しているのです。常識では考えられません。
 それに加えてもっと変なことをしています。調整板を左に挟むことでセンターが通るということは、ピボットポイントはハンドル中心より動かせても、右にしか動きません。右側に調整板をセットすれば、ピボットポイントは→に動きます。センターより左にはセットできないのです。。
 100っ歩譲ったとして、グリップを左右に動かせることをセールストークとするなら、なぜハンドルは設計上センターを通して、半分の厚さの「1.2ミリ」の調整板を左右に配しなかったのか? それなら騙されてあげてもいいでしょう。ピボットポイントはセンターを含め、左右に動かすことができます。そしてハンドルの強度も精度も美しい図面も保たれます。
 「オフセット」という言葉があります。埋め合わせる、相殺する、補正するなどの意味です。弓のハンドルは、理想としては左右対称に作りたいのです。それは強度や耐久性はもちろん、それ以上に弓の的中精度やアーチャーの使い勝手に影響するバランスや重量配分から考えての理想です。ところがアーチェリーのハンドルはグリップ上部に「ウインドウ」を設ける必要があり、左側がえぐられてしまいます。そのため右側に軸が必然的(不本意ながら)に移動せざるを得ません。それを補正するために、このような↑発想があります。
 ところが実はこれを最初に考え、製品化したのはHoytおじさんなのです。Hoytのワンピースボウの名機「ProMedalist 4」(4PM)はもちろん、GMXの基となった「GoldMedalist」(GM)もハンドル下部がオフセットしていました。
 とうことで、今回のいい加減でうんざりは、ウインドウを補正することなく、それに加えて右に軸も重さも移動しているのです。この謎を解いていただけるなら、ぜひ教えてください。どう思います?!

copyright (c) 2016 @‐rchery.com  All Rights Reserved.
I love Archery