ノウハウ

文字と文字の間、行間を埋めるために。

永く弓をやっているといろんなことがありますが、例えば試合場でパニくってるアーチャーを見ることがあります。プラクティスでリムが上下逆だったり、プランジャーが付いていないことに気付いたりした時がそうです。初心者といえばそれまでですが、本人にとっては必死の場面です。が、そうやって経験し学習することで、同じ失敗は繰り返さないでしょうし、もし同じことをしても次回は今ほどにはパニくらなくなるはずです。
ではそこまでの素人の失敗ではないにしても、逆に準備万端の上級者でも犯す失敗もたくさんあります。例えば、プラクティスでシューティングラインに入り矢をつがえてみると、いつもよりノッキングポイントが「スカスカ」だったり逆に「硬くて」いつものようにノックがノッキングポイントから外れにくいといったことがあります。そんな時、神経質な性格であったり、大きな試合であれば経験を積んできたアーチャーでも心の中に不安がよぎるものです。

「ノウハウ」という言葉があります。[ある専門的な技術やその蓄積のこと。][ものごとのやり方に関する知識。実際的な知識。]などと辞書にはあります。プランジャーを付け忘れたのなら、ウエイティングラインに戻って付けるしかありません。ではリムの上下逆がプラクティスの途中や本番の1回目で気付いたらどうするのか? そこでストリングを外してリムを付け替えて、残りの矢を射つのか。それとも、その試合あるいはその距離の最後までそのままの状態で射つのか、と選択肢が生まれます。多くのアーチャーはあせってリムを付け替えるでしょう。多分その時には他の選択肢は見えていないはずです。
では自分ならどうするか。まずリムを上下逆でシューティングラインに入ることはありませんが(!)、あればそれが大事な試合であればあるほど、そこで外してはいけない場面であればあるほど、そのまま射ち続けます。心の中で「かっこ悪い」という思いはあるにせよ、それでサイトを合わせたのであれば、そのまま試合を続けます。リムが逆だから弓が折れることはありません。極端に矢飛びが悪くなることもありません。ましてや、そのまま次の矢を射つのとセッティングを変えるのとでは、どちらが当たるかは知っているつもりです。わざわざリムを付け替えて大事な1本を外すことはしないでしょう。

48年間ずーっとアーチェリーをしています。最近歳をとってきたせいか、自分の持っているノウハウを誰かに伝えておきたいという想いが大きくなってきました。自慢ではなく、責任です。なぜなら、ノウハウこそが失敗や努力の中から生まれた「知識」だからです。それを知らなければ、初心者は一からまた同じことを時間と金を掛けて繰り返さなければなりません。それに同じ経験や知識が得られとも限りません。しかし、ノウハウを引き継ぐことで、同じ過ちや無駄を繰り返すことなく、最短距離で目標に到達できます。

この「アーチェリーどっとコム」を見ていただければ「Aiming for the Best」含め結構多くの情報、知識を書いてきたつもりです。あるいは世間には専門書や雑誌も多くあります。しかしこれらは書ける範囲での知識です。それに対してノウハウとは、そんな文字と文字の間、行間にある知識であり経験です。
そこでもう一度、そんな行間を埋める話を思いつくままに取り留めなく書いてみようと思います。これまでのことの繰り返しや連続性のない展開にはなるでしょうが、お付き合い願えれば幸いです。あえて「リンク」は貼りません。同様の詳しい文章や写真がこのホームページ内にはあるかと思いますが、分からない言葉やもっと知りたいことがあれば、「キーワード」を入れて↓ページ内を検索してみてください。
なお、シューティングに関する技術的なことは、また別に考えています。ここでは道具を中心としたノウハウを語ってみます。
よろしくお願いします。(2016/12/5)


Google

WWW をGoogleで検索
まずa-rchery DOT com 検索